第22話

 その後は、第1章のとおりだ――


 オマハンはサモン・ド上院議員を一本背負いして、アリンスを救った


 サモン・ドを投げる


 オマハンの帽子が取れる


 長い髪が、扇のように広がる――


 師が褒めてくれた黒髪だ


 幼いころと、同じ髪型――


 この屋敷が使用人の着帽を認めてくれていて、ほんまによかった・・・!


「なぞの従僕の正体は――おれ!」


 オマハンは満面の笑みで言った


「おれアリンスちゃんのこと、助けに来てん!」


 そして――


 アリンスを救ってから、オマハンはドキドキしながら、こう尋ねたのだ


「おれのこと、覚えてる? おれの名前、覚えてる・・・!?」


「名前・・・?」


 名前は覚えてないの、と(ちょっと後ろめたそうに)告げられた


 泣いた


  (第3章 “サモン・ド” に続きます――)

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“宣言ドミノ”! 連連理 @remm

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