第17話

 おれが犯人なん・・・!?


 tスポーツとはこういう遊びだったのか


「さあパセラッハ君、行動して! 状況は君に主導権を与えている! 執事探偵エド・バートンが君にそっと言うよ! 『なぜ、あなたはこんなことをしたのです――?』」


 なぜと言われても


「待って! そのとき君は何かに気づいた!」


 エキスバトンが叫び、


「サイコロを振って“謹力プラクティス”チェックだ!」


 言われるまま、オマハンはポケットの中のサイコロをテーブルに放った


 サイは1の目を上にして止まる


「チェック成功! あそこにある小さなクローゼットを見て!」


 エキスバトンはホールの壁際に置かれた腰の高さほどの「クローゼットを指さ」して、


「君の記憶では、昨日まであんなものはなかったはず――!」


 そうなん!?


「えっと、それじゃ、そこに近寄って・・・」


 オマハンはそう言いながら、クローゼットに近づき、


「『みんなに見せたいものがあるんだ!』と言って(その場のノリだ)――クローゼットを開く!」


 クローゼットを開いた


 誰かいた


 クローゼットの中に、膝を抱えた誰かが


 その手に、見覚えのある“あれ”を持って、膝を抱えた――


「『おひさしぶりすっす』――そう言って、クローゼットから出る」


 サイモン・ヴェイル異舌いたん審問官が、そう言って


 あの革張りの書物を手に、クローゼットの中からうっそり出てきて立ち上がった


  (第18話に続きます)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る