第4話 暗雲

日記

2022年8月9日、10日

 なんとか修正をしながら小説を書き進める。

 相変わらず、亜衣の指摘は辛辣だけど的確で助かる。

 助言も元に私は小説を書き進めていく。

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 また数日経った頃。

 

「ブックマークが4つついた!」


 いつもの様に亜衣に進捗を伝えていた。


「まぁ二人は身内なんだけどね」


 私は笑いながら言った。


「ん?二人?あぁそう言うことね」


 亜衣は気づいた様だ。


「一人は亜衣だよね?ありがとね♪」


 分かってはいるけど一応確認。


「ブックマークしとかないといちいち検索するの面倒だしね。

 それにしても二人も登録してもらえるなんて凄いね」


 素直に褒めて貰えた。嬉しい♪


「いやー、嬉しさの余り後書きを書いちゃった♪」


 私は既に後書きを書いていた。後書きを書くのに憧れてたのだ。

 自分の作品に込めた想いを自由に書ける後書き。

 これを書いているとついニヤニヤしてしまう。


「どこの世界に話もまだ中盤なのに後書き書く奴がいるの・・・」


 亜衣は呆れていた。


「ここにいるでしょ♪でも話の方向性も再確認出来たし楽しかったよ?

 それに話の本筋や最後の結末は既に考えてるしそのまま使えるはず!」


 そう。私は既に最後迄の大体のあらすじを考えていた。


「話は結構面白い感じになってきてるんだよねぇ。しかもダブル主人公とか

 割と重めの話を差し込んだりとか素人がいきなり手を出しても良いものじゃない

 気がするんだけど今のところ上手く纏まってきてるね。不思議だわ」


 なんだか少し棘があるけど褒めて貰えてる様だ。ちょっと嬉しい♪


「最近ちょっとダメ出しも減って来たしいい感じなんじゃない?

 このままどんどん進めちゃおうかな♪」


 私は調子に乗る。


「言っとくけどまだまだ全然、問題はあるからね?

 と言うか話もまだ中盤でしょ?伏線張りまくってるけど大丈夫なの?」


 確かにちょっと収集着くか若干不安だったりする・・・。


「まぁ何とかなるでしょ♪」


 亜衣の助言もあり順調に話は進めていたので私は安心していた。


・・・


 しかしこの後、この話は方向性を失う事になる。


**************


「作風が随分変わりましたね。何か心境の変化でもありました?」


「絶対に書くのをやめないで!必ず最後まで書き切って!

 あなたはそうしなければいけないの!」


 ただただ悲しみを綴っていた。

 こんなもの誰が読みたいと思う?


   「これを私が書いたの?」


 え・・・?だってこの作者は、もうどこにもいないはずなのに・・・


・・・


 あなたはだれですか?

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