第一章 事実
第2話 一人目の読者♪
私は小説投稿サイトでライトノベルの連載を始めた。
ファンタジーものが大好きでかなりの数の漫画を読んだ。
小説は昔から人よりは読む方だったけど書くのは初めてだ。
実は既に少し前から書き始めており、携帯スマホのメモ機能で
色々な設定やストーリーのメモなんかを書き溜めていた。
正直言うとどうやって書くのが正解なのか全く分からない。
とりあえずユーザー登録をする。
性別は一応選ばないでおいた。
一人称は元々の癖で私なのでどっちとも取れるし
作品に変に作者のイメージをつけたくなかった。
と作家気取りを吹かせてみたり♪
そう言えば昔から中性的とよく言われて同性から人気があった。
別段偏見は無くトランスジェンダーも
ちょっと珍しい個性だと私は思う様にしている。
昔読んだ、小説で言っていた内容に共感したからだ。
あとよくオンラインMMORPGで色々な性別のキャラクターを
演じていたので余り抵抗が無かった。
*****
「最近スマホ見る時間多くない?」
この子は妹の亜衣だ。
「実は最近、小説を書き始めたんだ♪」
私はちょっと恥ずかしいが妹にはバラした。
「ふーん。そうなんだ」
余り興味はなさそうだ。そりゃそうか。
「小説家にでもなるつもり?」
一応話を広げてくれる。妹との仲は悪くない。
むしろ良い・・・はず。
「いや。全然♪ただの趣味」
私は正直に答える。何せ初めて書き始めたばかりで、大した知識もない。
何故書いているのかと言われれば楽しいからだ。
しかも誰かに見てもらえて、そして何かが伝われば、
承認欲求も満たされると言うものだろう。
何かを残すと言うのはとても大きな意味を持つ。
それに、もし賞を取れれば賞金が貰える。
まぁ世の中そんなに甘くないだろうけどね♪
でも夢を見るのは自由だ。やるからには全力でやる。
これは私のモットーだ。
「んー、まぁ頑張って♪それ私も読んでいいの?」
亜衣に聞かれる。ん?そうか!読者一人ゲット!!
「読んで!そして応援をしなさい♪あと誤字報告と問題点を考察しなさい」
自分だと初歩的な事もなかなか気付けないものだ。
あとちょっと恥ずかしいけどそれでも誰かが読んでくれると言うのは作者冥利に尽きる。
「いきなり遠慮なさすぎでしょ・・・。私、暇じゃ無いんですけどー。
あと容赦しないよ?面白く無かったらバッサリと言うけど覚悟出来てる?」
ちょっと意地悪な笑顔で言う。でも読まないとは言わないんだ。
可愛いやつめ。酷評を恐れていては上達など程遠い。
むしろ酷評こそ最も価値がある!と思う事に決めている。
でも余りやられ過ぎると心折れちゃうから程々にお願いね。
なんて事を思いながらも、
「どんな酷評も受け止める所存でございます♪」
私は虚勢を張ってこんな事を言った。
しかし、亜衣は結構鋭い所があるから、きっといい助言を貰えると思うのだ。
「まぁ、どんなの書くのか興味あるし面白そうだから読んだげる」
こうして私は一人目の読者を手に入れた。
私は亜衣に同じ小説投稿サイトに登録をさせて、早速読んで貰う。
・・・
「んー、5点」
それ何点満点なんだろう・・・。いや100点満点中なんだろうけど・・・。
「厳しすぎやしませんかね?」
慈悲は無い様だ。でもちゃんと読んでくれたのだから感謝だ。
「まず、読みにくすぎ。内容以前の問題だね」
バッサリと言うなぁ・・・。でもその通りなんだろう。
「内容はまだ最初だし判断し難いけど連載だったら最初は重要だよ?
続き読みたいと思える何かを残さないと次読んでくれる人何ていないんじゃない?」
なぜこの子はこんなに的確なのか・・・。でも本当に言う通りだ。
私はむしろ感動していた。
「何でそんなに詳しいの!?もしかして亜衣も書いてたりする?」
それだったら読みたい!
「いや、私も普通に小説くらい読むし漫画も好きだから。
というかこれくらい自分で気づきなさい!」
亜衣は少し照れている。ちょっとツンデレっぽくて可愛い反応だなぁ。
「とりあえず修正しながら続きも考えてみる♪次も宜しくね!」
いやー私は素晴らしい協力者を得た♪
まずは亜衣に面白いと思わせれば良いのだ。
まぁそれがかなり難しそうだけど・・・。
でもやり甲斐もある。本当に話して良かった。
「次少しでも読みやすくなって無かったら読まないからね」
厳しいなぁ・・・。でも頑張ろう♪
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