第6話 悪友は話したい
「おっはよう充くん。ってあれ? 今日は真菰ちゃんと話してないのかい?」
「んっ? ……なんだハヤテか」
俺が声をかけられ顔を上げるとそこにはコミュ力化け物とも名高いこのクラスきっての陽キャ……最早、陽キャという表現すら生温いほどの明るい人物である早田 ハヤテ(性別 ♀)がそこには立っていた。
……こいつの相手するの疲れるんだよなぁ。
「なんだとは酷いじゃないか、充くん。僕と充くんの仲だろう?」
少し怒ったような態度(恐らく演技)を見せるハヤテ。
「……そんなに話したことはないはずだが?」
「パンを奢った仲ならもう友達さ。ってことで今日なんかパン奢って?」
「い、や、だ」
まさかの友達になる為にパンを要求されるとは……これが陽キャを超えた存在がすることか、陽キャすら理解出来ない俺に到達おしはれる存在ではないな。
「充くんはガードが固いなぁ。とここでハヤテちゃん突然の陸にあげられた魚のモノマネやります!」
「する分には勝手だがどっか違うところに行ってやってくれ」
俺はそう言いながらも少し興味が湧いたのでしばらくハヤテの方を見てモノマネをするのを待つが一向にやる気配はない。
するとそんな俺の視線に気がついたのかハヤテがニヤニヤしながら俺の肩に手を置いて話しかけてきた。
「なんだい、充くぅーん。もしかして期待したのかい? 僕のモ、ノ、マ、ネ、に。素直じゃないなぁ。ねぇねぇ、そういうのなんて言うのか知ってる……ツンデレって言うんだよ。ツ、ン、デ、レ☆」
ピキッ。
「フフッ、見たいなら見たいと言ってくれればいいのに……あれかな? ハヤテちゃんがあまりに人気者だから嫉妬しちゃったのかな?
ハハッ、心配するなよ充くん。僕は誰に対しても
ピキッ、ピキッ。そう言いながらハヤテは俺に軽くヘッドロックをしてくる。以外と大きな胸が当たってくるがコイツ程度では俺の心を動かせない、というかハヤテも気にしてないっぽいしコイツはそういうのが気にならないのだろう。
……メンタル化け物か?
「それにしても本当になんで今日は真菰ちゃんは来ないんだろうねぇ。いつもなら君達夫婦みたいな距離で話してるじゃないか」
「……色々あんだよ」
「ふーん」(ニヤニヤ)
俺は少し不機嫌ながらもそう答えると怪しい笑みを浮かべたハヤテの顔が目の前にはあった。
「要するに充くんはいつもみたいに真菰ちゃんが話しかけに来ないから今日は不機嫌なんだ。へ〜」(ニヤニヤ)
「いや、まぁ実際その通りっちゃその通りなんだけど」
「意外と素直じゃないか! 可愛いなこの野郎!! 真菰ちゃんにも一応僕から声をかけておくね。女の子同士の方が話しやすいこともあるだろうし、ね?」
俺のほっぺをつつきながらそんなことを言うハヤテ。
「一応……頼む」
「まっかせなさい!」
ハヤテはそう返事すると元気よく真菰の方へと歩いていった。……アイツほとんど初対面のはずなんだけど、対応ラフすぎないか?
……それともこれがコミュ力なのか?
*
真菰視点
・ハヤテが充に話しかけに行く前
あぁ〜、イライラする。今日の朝は結局昨日あんなこと言って出て行ってしまったから充に会いづらくて1人での登校になっちゃったし。……学校来てもどこか気まずくて話しかけにもいけやしない。
……充の方から話かけに来てくれねぇかなぁ?
・ハヤテが充に話しかける
んっ? なんだアイツ充の方に話かけに行ったぞ? 確か……ハヤテって奴だったような、結構しつこかった覚えがあるな。
……随分楽しそうに喋ってるな。
・ハヤテが充の肩に手を置く
なっ、アイツ充の肩に手を置いてる!? し、親しいのか?
・ハヤテが充をヘッドロックする
充にヘッドロックしてる!? えっ、あれ当たってるよな、胸。もしかして充を誘惑……いや、だとしても私には関係ないけどな。でも、なんかイライラする。
・ハヤテが充に顔を近づける
おい、顔近づけすぎじゃないか? あぁ、イライラする。髪をかきむしりたい気分だ。
・ハヤテが充のほっぺをプニプニする
ほっぺプニプニしてやがる!? 私だけの特権なのに……許せねぇ。
・ハヤテが話し終わる
「おーい、真菰ちゃーん。僕と話そうよー」
「あぁ、私も沢山話したいことがあるから体育館裏までいこうか」
*
クラスメイト達視点
ハヤテが充に話しかけに行く前。
(あれ? 今日は真菰ちゃんと充くん話してないの?)(なんか2人とも不機嫌っぽいし)(これは触らぬ神に祟りなしだな)(……しばらく様子を見よう)
ハヤテで充に話しかけに行く。
(おい、やめろバカハヤテ!!)(誰か止めろって!!)(あんな雰囲気の中に止めにいけんのどんなメンタル強者だよ)(空気を読んでくれぇぇぇ)
・ハヤテが充の肩に手を置く
(マジで空気読めって!! 真菰ちゃんから負のオーラが出てるんだけど!?)(そのドヤ顔いらねぇから! 早く去れ!!)
・ハヤテが充にヘッドロックする
(お前は本当にぃぃぃ)(真菰ちゃんシャーペンへし折っちゃってるんだけど!? マジでヤバイって!)
・ハヤテが充に顔を近づける
(ハヤテぇぇ!!)
・ハヤテが充のほっぺをプニプニする
(ハヤテぇぇぇぇぇ!!!)
・ハヤテが真菰に体育館裏に呼ばれる
(ハヤテぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!)
結論: ハヤテまた会える日まで……。合掌☆
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
すいません。完全に遊びましたね。一種の番外編的な感じで許してもらえないでしょうか? ダメ? ダメですか……。
じ、次回はちゃんと書くので。では!
次回「悪友は近づきたい」
あと、面白ければ星や応援お願いします。更新が早くなるかもです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます