第71話 チートアイテムがほしい!
馬の世界より戻ってまいりました。
私の主戦場はここ学園です。
なんだか久しぶり?
ところでですね、そろそろ時間がやばいんです。
(最近登場してなかったけど)ステータスオープン!
はいこれ、現在のお兄様のパラメーターです。
【 名 前 】 ジーク・イオリス
【 年 齢 】 16歳
【 体 力 】 150
【 知 力 】 120
【 敏 捷 】 52
【 幸 運 】 91
【 魔 力 】 200
【 火 】 -----
【 水 】 240
【 風 】 -----
【 土 】 110
【 空 】 -----
【 聖 】 -----
【 魔 】 22
春より少し上がってるでしょ。
頑張った『幸運値』見て! 素晴らしい成果!! 一般平均が10~50くらいなので、お兄さまはもう現時点でかなりラッキボーイであると言ってもいい! この世界に宝くじがあるのならぜひとも買ってみてほしい。
まあ、そこは期待以上の数値なのでいいとして、問題は水属性の240という数値。これをね、あと2週間で確実に250以上にしたい。
ここがね、非常に大事なポイントなのです!
属性のステータスとっても大事。
なぜなら二年の夏のイベントで生涯のパートナーとなる精霊さんと契約するからです!
もちろん恋愛面でもすでに大ピンチなのだけれど、お兄さまの人生をサポートする上ではこちらも見逃す訳にはいかないというか。
このゲームはね、パラ250以上だったらBランクの精霊さんと最初から契約できるので、人生設計が大変有利となるのです。
この世界、精霊がいるんです。
生まれつき精霊が見えるという特別な子も存在するけれど、私たちの国では『精霊と契約すると精霊が見えるようになる』もちろん魔力も何倍もアップする。
ゲーマー仲間からは魔力ブーストのチャンスって呼ばれていたけども。
精霊にもいろんな属性があって、私たちは相性のいい属性の精霊と契約を結ぶ。
ちなみに私たち兄妹のイオリス家は水の属性と相性がいい家系。
以上の要素を踏まえてお兄様のパラメーターを見て。
【 水 】 240
水の属性あとちょっとでしょ!
他の属性はもう今からどうあがいても250以上は難しそうだけれど、水属性だけならいける! むしろこれで当日足りなかったらすっごく悔しいと思うんだ。
でもね、リアルではゲームと違うので何をどうやったらこのパラメーターが上がるのか分からないんですよ。授業を受けたら? 運動したら? そんな簡単なことでパラメーターが上がったらこの学校は天才だらけになっちゃうね。
魔術への理解度? そんなん個人にしか分からなくない?
自分のパラメーターでも確認したけれど授業を受けたからって数値が上がるわけではないのは確認済みなのです。
あーーーもう難ゲーだってこれ。
ということで、ここで冒頭のピンチ!
夏の星祭りまでにどうにかこうにかパラ250以上になってほしい!!
いや、する!!
お兄様を陰からバックアップする私がここで頑張らねばどうするって話よ。
そこで私は考えました。土壇場神頼み作戦!
先日の競馬場でのピンチを救ったステータス増強アイテムみたいなものを見つけてお兄さまに持たせる事ができれば心強いと思うのですよ!
今のところ信用できるのはこの『数値』のみ。もちろんお兄様の自然上昇値も当てにしているけれど、確約がほしい。
専門のことは専門家に聞くべし!ってことで、私は放課後、学園内にあるシルヴィ君の魔道具工房へとやってきました。
「ねえ、シルヴィ君、という訳でこんな感じのレア装備って作れますか?」
「何が『という訳』なのかは分からないけど、もう一度言ってくれる?」
挨拶と同時にレア装備の作成を注文する厚顔の私に無敵のキラキラ笑顔でお返事をしてくれるシルヴィ君。
いま言外に『おとといきやがれ』みたいなニュアンスを感じたけれどまさかそんな天使のシルヴィ君にかぎってそんなはずはない。
ここは飛び級の天才児シルヴィ君の為に学園側が特別に用意した工房。
学園内で使われていない空き教室を個人用の工房に使わせてもらっているのだって。
毎月のマーケットに卸す品物を作ったり、本業でもある王宮の仕事もここでこなしているそう。さすが天才少年!
ちなみにここは学園内の端の端で、たとえ魔力が暴走して壁が吹っ飛んでも被害は少ない場所とか聞くとちょっと怖い。
「全部の魔法属性を上げる装備品があったらいいな、って思いました!」
ずばりこの間のミラージュ様の持っていた聖騎士のブローチのことです。
だって全ステータス+2とかそんなアイテムシルヴィ君のお店でも見たことがないのよ。
先日の競馬場での英知の詰まった工夫作品の数々を教えてあげようと思ってここに来たわけだけれど、まず自分の希望が口から飛び出したちゃったわ、なんて正直な私。
「また君はそんな無茶なことを…」
私の要望を聞いてシルヴィ君は腕を組んでうーんと考えている。
それはそうとシルヴィ君、今日もふわふわキラキラ天使のような容姿で相変わらず麗しいです。工房にいる時は制服の上に大きめの白衣を着ているのがまたこれ最高ですね!
「ところで全ステータス+2? すてーたすって何のこと?」
「あっ!!」
しまった。ゲーム情報の見たままを言葉に出してしまったけど、この言葉はこの世界では一般的ではなかったのかも???
「え、とあの…能力値?みたいな??」
直訳すると『社会的地位』とか『状態』という意味だけど、ゲームで使われる意味は後者だ。
「ロゼッタはたまにおかしなことを言うよねぇ」
「ええぇ…」
「ぼくの作った魔道具の効果や効能なんかもすぐに分かるし」
「……(はい)」
「たまに、ぼくの知らない理論で話をしている気がする」
「ううぅ…」
鋭い、さすが天才児! 目の付けどころが良い。
あと私はいろいろ迂闊過ぎますね?
だいたい初回からいろいろボロを出し過ぎたし、もうシルヴィ君とは普通にいろいろおしゃべりしてる。現に彼は私のことを『お姉さん』呼びから名前呼びになっているしね。
…これはもう、見逃してもらえない感じ…?
****
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