第5話 乙女ゲーム



『シャインクリスタル~祈りと魔法の国』


 選択できる二人のヒロインを主人公にして、魔法の才能を磨きつつ、勉強や恋、少しの冒険を経て3年間の学園生活を過ごすという典型的な魔法の王道ファンタジー恋愛ゲーム。


 舞台は七色に煌めく白銀の世界樹に見守られた王国アーデルハイト。

 精霊樹は1000年に一度代替わりをする。

 ちょうどヒロインが卒業する年がその1000年目に当たるので、魔物が増えたりしていろんなトラブルが発生するっていうストーリーになっている。ちょっとだけバトル要素もあるよ。


 まず、この世界には魔法がある。

 火・水・土・風・空の五大元素とレア枠の聖と魔。


 このゲームの攻略対象はだいたいこの属性のトップレベルの力の持ち主という設定。

 それぞれのキャラに得意な魔法があるので、その系統を学んでいけばそのキャラとお近づきになれるっていう仕組み。

 魔力を持つこと=貴族の中でも格が高いということで魔法学園には貴族の子息子女が多い。

 もちろん庶民の中にも魔力を持っている子が稀に生まれる。


 庶民のヒロインは聖属性特化型。

 貴族のヒロインは五大属性と聖(小)


 庶民ヒロインはライバルとなるキャラがいないので、初心者向け。分かりやすいシンデレラストーリー。

 貴族のヒロインは一応どの属性も目指せるけれど、貴族ゆえの制約や確執があったりしてプレイが複雑でちょっと上級者向け。


 私は貴族ヒロインの方が心の闇が深くて好きだったけれど、もちろん庶民ヒロインちゃんの天真爛漫さも大好きだよ!


 と、いうのがこのゲームの説明でした。

 ご清聴いただきありがとうございました。


 ぶっちゃけ私、このゲームには嫌いなキャラがいません。

 足を引っ張り合う要素がほとんどななくて、むしろ全員向上心の塊っていうかどこまでいけるか飛距離を競う系のゲームでした。

 そういう意味ではストレスが無いのがこのゲームのいいところ。


 そして、うちのお兄様がどんな立ち位置なのかっていうのを説明すると、ヒロインに一目ぼれしてちょいちょいウザがらみをしてはヒーローに蹴散らされるっていうお約束の便利キャラ。


 ちょうどよく、おバカで(ストーリーの説明時に発言)

 ちょうどよく、おせっかいで(トラブルに首を突っ込まざるを得ない時)

 ちょうどよく、弱くて(ヒーロー・ヒロインの助けが必要)

 ちょうどよく、良いやつで(アフターフォローが必要な時に重宝する)


 でも放置されます(報われねええええ!)。


 ほんと便利なキャラだよね、制作陣に愛されるわけですよ!

『だってジークだし』のセリフは何度も聞いた!


 そしてどちらのヒロインでプレイしてもお兄様はどちらかに惚れていました。

 そこんとこ本編でもっと詳しく知りたかったです。



 まあ、それはそれとして、

 このゲームのクリア条件はもちろん恋愛と、ずばり3年後の卒業式までのパラメーター!!

 イベントは達成しても失敗してもゲームは続くのです。

 人生には失敗もある。っていうリアルなやつ。

 失敗した方が美味しい展開になったりするのでその辺はプレイヤーの好み。


 恋愛は成就したとしても、ステータスが低いとエンディングスチルは同じでもエンディングのシナリオが違ってきたりするのだから侮れない。


 例えば、無事に恋愛を成就させた後、魔力のパラメーターが規定以上に育てると歴代随一の魔法使いとしてパートナーの隣に立てるし、逆にパラメーターがお粗末だと愛すべきドジっ子ポジションとして固定されたエンディングになったりする。


 そこにどのエンディングがメインルートとかは無くて、本当にプレイヤーの好みでいい。


 そういう自由で甘くないところが売りでした『シャインクリスタル~祈りと魔法の国』




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