薔薇
バブみ道日丿宮組
お題:大好きな薔薇 制限時間:15分
学校が終わったあと彼女は、いつもあそこにいる。
薔薇の都。
そこは彼女のために存在するように、青、赤、黄、白と色とりどりなものが咲いてる。
昔はこういったものはなかったらしい。
資料として、墓地であったと残ってる。
そのため薔薇は死者の遺体から生まれてると言われてる。
そうすると、彼女は死者を纏ってるということになる。
実際に彼女に近づいた不埒者は原因がわからない死を迎えてる。
とくに身体が薔薇の根っこに巻き付かれてるのは人間には再現できないと言われてる。生きたまま薔薇を生やしてなければ起こり得ないということだ。
そんな彼女ではあるが、今のところ私には何も影響はでていない。いや……私に近づいたものが消えてくから無関係ではないだろう。
少なくとも本人以外に影響は出てる。
だからといって、彼女から離れる気はない。
彼女と話すのはとても楽しい。手が触れ合えば、よりいっそう嬉しい。
一緒に住もうと言ってくれた。
その話を親にすると、なんともいえない顔をした。
否定もできないし、肯定もできないのだろう。
親になにかあってはいけないしと、そうそうに引っ越しをすることを決めた。
彼女の家はとても大きい屋敷。
警備もきちんとしてるし、執事もたくさんいる。
彼女の両親は常にいないし、干渉もしない。
それは彼女の不幸がこないようにしてるのか、あるいはその原因を探ってるのか。
一度もあったことがないので正直どんな人なのかわからない。
彼女は面白みのない人たちというので、きっとそうなのだろう。
薔薇の都に唯一あるベンチに彼女は座ってる。
そこから私の姿を発見したのか、微笑んだ。
私も笑って近づく。
学校が終わったら、この場所へ。
それが暗黙の了解のようなものだった。
クラスが違う学校ではあまり一緒にいられない。もちろん、屋敷に帰ればずっと一緒にいられるが、それは違う。
学校のあとの、そとでの、そういうなんだ。
薔薇 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます