第14話 ラスボス?登場

 走りながらレイスヴァールは気がついた。

 いや、他の騎士団員も気がついてるのかも知れない。数人がチラッと空を見ていた。

(なんだ、このプレッシャーは)

 櫓へ到着し登っている途中で、空から…空間から何かがやってくるのが分かった。

 慌てて登り切ると、タムの肩を抱きかかえる。

「タム!」

『レイ!』

 その力強い、大きな胸に囲われて涙が出そうになった。

 思った以上に自分は怖かったらしい。つい、しがみついてしまった。

「すまん、遅くなっ…チッ」

 騎士団の包囲網を掻い潜って僧兵が一名、櫓へ掛けてくる。

 レイスヴァールは鉄格子を掴み、檻を難なく持ち上げた。

『ええ!?』

 さすがにタムでも持ち上がらない大きさだったのだが。

 そして彼は僧兵に狙いをつけて、力を貯めずにワンアクションで檻を投げた。

(投げた!…カッコいい…)

 施設では自分以上の力持ちはいなかった。男性でさえ、重い荷物を前にして自分を呼ぶというのに。

 その檻が僧兵にうまく被さり地面に縫い止めた所で他の騎士が駆け寄ってきて拘束した。

「よし!」

『レイって…力持ち?』

「ん?ああ、魔力を筋力へ回しているんだ。騎士団では普通だぞ?」

『そ、そうだったんだ…』

 普通であんなのとは。自分の怪力が霞むようだ。

「怪我はないか?」

 自分を優しく見つめてくる、金の粒が浮かぶ夜色の瞳にドギマギしながら答える。

『は、はいっ』

(どうしちゃったんだ私…)

 レイスヴァールをもっと見たい、と思ってしまった。

 しかし彼を見上げた所で、それに気がつく。

『…な、なにあれ??』

「むっ?」

 レイスヴァールはタムをかばいながら、空を見上げる。

 月を背にしているせいかくっきりとその形は現れていた。

(背中に、羽が生えてる)

 天使の翼のような物ではなく、コウモリの羽のような形だ。

 たいして羽ばたいていないのに浮かび上がっている人物には。

(角が生えてるー!?)

 獣人以外の人型で、人外の姿の者をタムは初めて見た。

 長く黒い髪の耳の上には、スッと空に伸びた立派な1対の銀色の角があり、肌は青い。

 しかも漫画に出てくるような、絶対こんなヤツこの世にいないだろうと思う程の超絶美形だ。

(絵画のようっていうか、美人ていうか。語彙力〜!!)

 そういう陳腐な形容詞を超越しているキラキラ度だ。

 女神フェーラを見た時の感想に似ている。

「あれは…いや、あの方は…」

 レイスヴァールが何かを言おうとした所で、背後から母親の声が飛んできた。

「久しぶり!レネゲド!」

「!」

 レネゲドは人外の域を統べる魔族の王だ。

(なぜこんなところに…いや、母上が呼んだようだが)

 レネゲドは手を上げてレイスヴァールの背後にいるであろう、ジョセフィーヌに微笑む。

 その魅惑的な微笑みに、広間の女性たちは見惚れた。

 しかし彼はそんな視線も気にせず、タムに目を落とす。

「これは…見事にハニーベアだな。…だが、女神との繋がりはないようだ」

 ハニーベア確定なの?と思いつつタムは質問する。

「つながり??」

「ハニーベアは、下界に降りられない女神の目であり手でもある。うちに隠居したハニーベアがいるぞ」

「えっ!?」

「なるほど…」

 驚くタムの横でレイスヴァールは納得する。どうりで人の世界で見ないはずだ。

 人の世界にいれば今回のように、国単位での金や権力絡みの抗争に巻き込まれるのだ。

「ハニーベアとなる者の本質は変わらんな」

 彼は優しく笑う。

「え?」

「…巻き込まれ体質で、周囲が放っておけない」

「うっ」

「その通りだな」

 タムは呻き、レイスヴァールは思わず頷いた。

 魔族の王は憮然とした表情のタムにクスリと笑いながら、二人の手を取り櫓から下ろしてくれる。

 何かに優しく包まれているような、ふわりとした感覚だった。

 そして彼はレイスヴァールとタムにいたずらっぽくニッと笑いかけると、彼等の背後へと足を進める。

「くっ来るな!!!蛮族め!!!」

 その声はヴァルデだ。

「うっさいわね!少し黙りなさい」

 2人が振り返ると、ジョセフィーヌがヴァルデをゴチっと殴っていた。

『うわ、痛そう…』

「は、母上…」

 国王に免罪符を貰ったとはいえ、面倒な国との国交問題にもなりかねない。

 レイスヴァールは、”ほどほどに!”と母親に念力を送るが、彼女はもちろん分かっているようで、フン!とばかりにそっぽを向いたあと口パクで、”後ろへ下がれ”と伝えてくる。

 レイスヴァールは慌ててタムの手を引いて下がる。

 カツン、と歩みが止まったレネゲドがヴァルデを見下ろした。

「さて…司教殿。いや、ヴァルデ殿」

「……」

 痛みに呻くヴァルデは逃げようとするが、ジョセフィーヌがガッチリと拘束している。

 ヴァルデには見えていないが、背後には赤いリボン付きの小さな角があった。

「貴殿は言ったそうだな。彼女が邪な魔族だと。…そして、魔族を女神の生贄にすると?」

 口元は笑みの形だが、全く笑っていない目で言う。

「い、いえっ…!それは…巫女の勘違いのようです、お許し下さい!」

 ヴァルデはジョセフィーヌに腕を取られながらも頭を下げる。

 その巫女、ユーミンは真っ青になって首を横に振っていた。

「大丈夫ですよ」

 彼女を支えているハロルドが、ニコリと笑う。

 レネゲドは薄く笑った。

「私の使い魔はあちこちにいる。お前が確かに言ったと、使い魔が伝えてくれた」

 その足元には、黒い猫。どこにでもいる普通の姿だ。

 チッとヴァルデは舌打ちをすると、口腔内に隠し持っていた魔石を砕き魔力を魔法陣に込め起動する。

 ジョセフィーヌが叫んだ。

「自分だけ戻ろうって?そうは行かないわよ!」

 光り始めた魔法陣の中心から地竜が現れる。

 途中からすり抜けずに、石畳ごと魔法陣を盛り上げて空へ飛び上がる。

 櫓と檻と、石畳がガラガラと降り注いだ。

(なるほど、下がれと言う訳だ)

 レイスヴァールは腕の中のタムを見ると、ルベリアーナの勇姿に喜んでいた。

『すごい!』

「ルーはすり抜け無い事も出来るんだ」

 ここに自分の竜を連れてこれないのが悔しい。

 タムは元気よく飛び回るルベリアーナを見上げる。

『あ、リボン!つけてくれたんだ』

「…タムからの贈り物だったのか。ルーが喜びすぎて大変だったぞ」

 なにせ池から地面に潜り、庭園で顔を出してはタムを探していたのだ。

 そのままルベリアーナは再び地面に潜り、頭を出してヴァルデを睨みつける。

 ヴァルデ本人は頼みの綱の転移陣が消えて、呆然としていた。

 そこへレネゲドが更に歩を詰めた。

「寄るな!!!私は女神教の司教だぞ!!神の罰が…」

「人の宗教なぞ、魔族には関係ないな」

 レネゲドはそっけなく言う。

「我らは女神に最も近しい眷属。どちらに罰が下るかな…?」

 蠱惑的な笑みを浮かべる美丈夫に、広間の女性達からため息とも悲鳴ともつかない声が漏れる。

 そのまま彼が振り返りタムを見るので、思わずレイスヴァールは腕の中にタムを隠す。

 しかしタムは身の内に起こった異変に慌てていた。

(え、なにこれ、体が勝手に…)

「タム?どうした!」

『わ、わからないっ』

 彼女はレイスヴァールの腕の中からするりと抜けると、次に腕が上げられて、神殿を指差した。


ー空虚な祈りなどいらぬー


(!?)

 自分の口から全く違う声が出た。鈴のなるような、美しい女性の声。

 ヴァルデはその声に震え上がった。

 遠い遠い過去に聞いた、美しい声。

「め、女神フェーラ!!私は、全ては、神の為に…!」

 ヴァルデは言い訳を並べ立てるが、しかし声は冷たく告げた。


ー民の祈りは届いておる。お前達など、いらぬー


 その途端、神殿に神雷が落ちた。

 弾けるような凄まじい爆音が広間を占拠する。

「きゃあああぁっっ!?」

「わぁぁっっ!!??」

 一瞬だけ昼間のような明るさになった広間に悲鳴が上がるが、続いた轟音にかき消された。

「危ない!!」

「退避だ!!」

 神殿前に居た僧兵たちを拘束していた騎士団が慌てて左右へ退避していく。

 塔の先端にあるシンボルが崩れてきたためだ。

「ルー!!」

「ガルっっ!!」

 ジョセフィーヌの指示で崩れてきたシンボルをキャッチするルベリアーナ。

「タム!」

『う…レイ…』

 女神から解放されたタムだが、貧血のような状態になりよろけた所をレイスヴァールが抱き止める。

 そのまま降ってきた石つぶてから庇おうとするが、タムの胸元にあるはちみつ石が突如光った。

「えっ!?」

 石は砕けて、地面に指輪が転がり落ち…2人の回りに小さな結界を張った。

(ハロのかけた防護魔法と結界か…!)

 この時ばかりは親友に感謝したレイスヴァールだ。

「……女神フェーラ…?」

 愕然とするヴァルデを愉しそうに目を細めてレネゲドが眺める。

 肩に乗ってきた使い魔に、王子は耳を寄せた。

「どうやら今のは…各国にも神罰として落とされたようだな」

 各地の神殿には等しく神雷が落とされ、神聖魔法を使えなくなった者たちだけが打たれたという。

「なっ!?…嘘だ!!フェミナ様!?我らに慈悲を!!」

 尚も虚空へ祈り神へ縋ろうとするヴァルデに、レネゲドは笑顔で伝える。

「…国から消えたそうだよ」

「へぁ…????」

 間抜けな顔を晒すヴァルデ。

「半人前の神はフェーラの元へ招集された。…まったく、だからフェーラにも言ったのに。試しにでも、子供を国に遣わすな、と」

 その口調でいかに魔族の王が女神と気安いことが解る。

「…神がいなければ神聖王国はただの国だな。神に頼るな。自立しろ」

「ああ……」

 崩れ落ちるヴァルデを、控えていたユリが拘束魔道具でガッチガチに縛り上げた。

 僧兵は騎士団に連行され、吹っ飛んだ櫓も檻も撤去されていく。

 広間の穴は、地竜ルベリアーナが元通りに埋めた。

 あっという間に行われていくその光景を、タムは石畳にあぐらをかいて座ったレイスヴァールにお姫様抱っこをされながら見ていた。

「大丈夫か?タム」

『はい…段々、戻ってきました』

 月の光が優しくタムを包んでいる。神力が補填されているようだ。

 瓦礫が無くなり、危険だからと留められていた子供たちが駆け寄って来る。

「みんな…大丈夫??」

 顔にアザがある子を見上げる。

 子供を殴るなんて、なんてしつけの悪い兵隊だろうか。

「へっちゃら!!」

「炭ぶっかけられるよりマシだよ」

「檻に入れられるほうが怖いだろ!」

 屈託なくタムに言い合う子供たち。

 その言葉にホッとするが、怪我は痛そうだ。

「みなさーん!治癒をします!」

『あっ。ユーミンさんだ』

「あれが、例の…」

 ハロルドに守られながら白熊巫女が広間で声を上げている。

 彼女が治癒魔法を唱えると広間全体に金色の粒が降り注いだ。

「わぁっ!?」

「すごーい!綺麗!!」

「これが巫女様の力…」

「司教以上じゃねぇか?いや、アイツの魔法見たことねーけど!」

 子供たちどころか大人もしゃいでいる。

 アザや怪我があっという間に消え去った。

(いいなぁ、魔法すごい)

 レイスヴァールが驚いているところを見ると、この広範囲に渡る治癒魔法は誰にでも使える訳ではなさそうだ。

 つい、神様特典が羨ましくなる。

(ユーミンさん、ちゃんと巫女さんしてる…)

 その傍らにいるのは、彼女の専属騎士のような顔をして見守るハロルドだ。

(乗り換えてるぅ)

 思わず笑ってしまう。

 年齢と言い、横幅の大きさも彼の大好物だ。

 そのタムの目線を見てレイスヴァールも苦笑する。

「迷惑なら引き剥がすが…」

 改めてユーミンの様子を見ると、お姫様のような扱いに戸惑ってはいるが、まんざらでも無さそうだ。

(日本でもコッチでも独身って言ってたし)

『嫌って言ったら教えます』

 それくらいの猶予をハロルドに与えても大丈夫だろう。

 ふふっと笑ったタムの顔を見て、レイスヴァールは少し目を見張り…ぽつりと言った。

「じゃあ…タムも嫌だったら言ってくれ」

『はい?』

 首を傾げるタムをぎゅーっと抱きしめるレイスヴァール。

「心配した…」

「!!???」

 自分の頬に少し冷たい頬があたり、頭が真っ白になる。

 それを見て子供たちが騒ぎ立てた。

「おっ!ラブラブ〜!!」

「兄ちゃんズルい!!」

「僕もタムとぎゅーってする!!」

 余計にタムの顔が真っ赤になった。そこへ女の子たちが割って入る。

「もう!こういう時はそっとしておくものよ」

「そうよ。邪魔よ!」

「はい、行った行った!…ごゆっくり〜」

 女の子たちはそう言って男の子を追い払いつつ、自分たちも走り去る。

 ジョセフィーヌはその様子を見て、ニンマリと笑っていた。

 ユリはその隣で苦笑している。

「…続きは屋敷でやらせましょう。さぁ、ジョセフィーヌ様も、いつまでも見ていないで下さい」

 公開処刑のようでタムが可哀想です、と撤退を促す。

 そしてジョセフィーヌが止めるのを無視してスタスタと2人の元へ歩み寄った。

 気配に気づいたレイスヴァールが顔を上げる。

「レイスヴァール様。タムを返して下さい。…この後のお仕事よろしくお願いします」

「うっ…。わ、わかった」

『……ぇぅ』

 残念そうに顔を上げたレイスヴァールから、真っ赤になってしまって顔色が戻らないタムを引剥がし、ユリが手を引き連れて行く。

 そして次にスタスタと向かった先は白熊獣人。ユリは失礼しますと言ってユーミンの手を取った。

「ああっ、オレの巫女様…!!」

「お仕事をなさって下さい。彼女はグランスピリット家でお預かりします」

 そんな、と食い下がるハロルドにユーミンがニコリと笑った。

「またお会いしたいです、騎士様。頑張って」

「は、はい!!!」

(あらあら)

 どうやら白熊巫女はハロルドよりも上手だ、と思いつつユリは彼女も連れて行く。

 その様子を生暖かく見守っていたジョセフィーヌが、傍らに来たレネゲドに挨拶をする。

「ありがとう。くだらない事で呼び出してごめんなさいね」

 しかし彼はフッと微笑む。

「いや、ニイナもあの子の事を心配していたからな。かまわない」

 遠くから使い魔を通して見ていたようだ。

「…そう。相変わらず優しいのね」

「ああ。また遊びに来るといい。ニイナも喜ぶ」

「絶対に行くわよ!」

 その言葉に笑顔で返し、空へ飛び立つレネゲド。

「ありがとう!奥さんにヨロシクー!」

 軽く手を上げて、美しい魔族の王は空気に溶けるように消えた。

 熊獣人を両手に掴んでジョセフィーヌの隣にやって来たユリが質問する。

「…奥様?」

「ええ、レネゲドの奥様ってハニーベアなのよ」

「!!」

 ユリも、右手にぶら下がっているタムも驚いている。

 交互に見てジョセフィーヌは謝った。

「黙っててごめんなさいね、内緒って約束だったから」

 タムはブンブンと首を横に振り、ユリも同じように小さく振った。

「…内緒にしたくなりわね。まったく人の醜さといったら…!」

 そして、はぁ、とため息をついて神殿を見る。

「もうここは解体ですわね」

 女神が不要だと言った。

「いや、神力のない神官共はいらないけど、治療院と、民の祈りの場は必要でしょう」

「では…ジョセフィーヌ様が指揮をとります?」

 ようやく部屋から出てきたことだし、元々軍人のために統率することには慣れている。

「ええ。残党の掃討作戦と行こうかしら?もちろん、ロイヤーンにも償わせるわ」

 そう言ってジョセフィーヌはニヤリと笑った。


 

 レイスヴァールが騎士団長に報告をしたあと、ハロルドが彼の元へ近寄ってくる。

「巫女様の事だが…今度は本気だぞ!」

「おい、今までは本気じゃなかったのか」

 タムに言い寄っていたくせに、と少々苛立つレイスヴァールだ。

 親友の怒気に慌ててハロルドは言う。

「いや、惚れかけたのは本当なんだが、…その、お前に譲る」

「はぁ!?」

 思ってもいない言葉に、レイスヴァールは逆に驚く。

 それを見てハロルドは呆れて笑う。

「…さっき抱き締めてたというのに、自覚が無いのか?」

 その事を思い出して、ハッとなるレイスヴァールだ。顔はもちろん赤い。

「いや、あれは心配したからであって…」

 しどろもどろで言い訳をしてくる。言い訳をする必要もないというのに。

「お前って本当に…情熱に蓋をするのな!」

 あんなに周りに人がいて、心配だけで抱き締められるわけ無いだろう!!と言われて、ウッと詰まるレイスヴァール。

「ほら、さっさと仕事終わらせて、帰って確かめればいい」

「なにを?」

「タムに、お前が本気になってるか、だよ」

「どうやって?」

「お前、それを俺に聞くなよ…」

 更に呆れられる。

「顔、見れば解るさ!」

 ハロルドは釈然としないレイスヴァールの背中を叩き、彼を連れて仕事に戻る。


 しかし久々の大きな仕事に、騎士団長が張り切ってしまった。

 広間に落ちたシンボルや瓦礫の片付けや、竜を活かして司教に加担した神官と僧兵を国の収監施設に送ったり…更には神殿の復興の資材も運んだり。

 それ以外にも、レイスヴァールは父親の元へ国から借りた魔道具を返しに王都へお使いに行くなど、非常に忙しい日々を過ごしていたため、タムに全く会えないでいた。

 だがその頑張りのお陰で、1ヶ月後に神殿は修復が終わり、治療院兼祈りの場として開放する事が出来たのだった。

 その事に街の人々が喜んだのは、言うまでもない。



 ーなお。


 神聖王国ロイヤーンは王宮の王族にまで神雷が落ちたため、統治するものが途絶えた。

 闇市を統括する者が実権を握ろうと暗躍し混乱に陥ったロイヤーンだったが、女神から”頼みます”と神託が下ったロンド国が仕方なく統治に乗り出し、奴隷たちの暴動に”奴隷解放”を提案して無血で鎮圧し、闇市を解散させた。

 国ではなくなったが、元奴隷たちの中には攫われた、または貶められて奴隷落ちしていた有能な者もいたため、ロンド国に保護されながら名称を変えて自治区となるのは…未来の話である。

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