ペリーヌ物語


さて本日は『ペリーヌ物語』です。

私は子どものための世界名作シリーズで読んだのでこのタイトルでした。

元々は『家なき娘』のタイトルで、現在は偕成社文庫から出ているものがてにはいりやすそうですね。

アニメでご覧になった方もを多いと思います。私も再放送ですが、世界名作劇場版を見てました。ペリーヌと一緒にいるわんこのバロンが可愛かったなあ(原作にはバロンは

出てきません)。

まずはあらすじなど。


フランス人を父に、インド人を母に持つ少女ペリーヌが主人公です。家族はインドから写真家の父の故郷であるフランスを目指して馬車で旅していましたが、旅の途中で父が亡くなってしまい、やっとパリまでたどり着いたところで母も亡くなってしまいます。孤児になってしまったになったペリーヌは、母の言葉を胸に、父の話をたよりに1人で父の故郷マロクールに向かいます。

なんとか祖父・ヴュルフランの営む紡績工場までたどり着きますが、父はインド人の母との結婚を反対されて勘当されていたため、直接祖父を訪ねることはためらわれ、ヴュルフランの工場で偽名を使って働くことにします。

ペリーヌは工場でトロッコ押しの仕事を始めますが、給金は少なく、あまりいい環境とは言えない下宿で暮らしていたのですが、仕事仲間のロザリーの怪我を機に下宿を出て一人で暮らすことを決めます。水辺に建つ廃屋を見つけて手入れし住めるようにした後、空き缶などを利用して鍋や皿を作り、葦の茎を叩いたもので靴を編んで作り、工夫しながら生活していきます。少ない給金を計算してやりくりし、貧しいながらも下宿にいた時よりも楽しみながら暮らすペリーヌ。

そんなふうに暮らしていたペリーヌですが、

ヴュルフランに孫であることを名乗り出ることはまだできずにいましたが、彼女の優しさと英語とフランス語ができると言う才覚がのヴュルフランの目に留まり、通訳や翻訳の仕事を任されるようになります。

孫とは知らず、次第にペリーヌに心を開き頼りにするようになるヴュルフラン。ペリーヌの聡明さを伸ばしたいと教育を施して個人秘書をさせるまでになります。

またヴュルフランは息子の行方を探させていました。息子がすでになくなっていることを知ったヴュルフランは悲嘆にくれます。白内障を患ったために目が見えない彼のそばにいるペリーヌが、母譲りの褐色の肌と黒い瞳、そして彼の息子譲りの淡い色の髪を持ち、息子の面影を残した顔立ちをしている事に気づかずに……。


物語の初めからなかなかハードな状況に置かれているペリーヌ。そもそもインドからフランスって馬車で行けるのか?というツッコミはしない方がいいですね(笑)。

それはさておき、私がこのお話で1番好きだったのは、ペリーヌが家を整えていくところです。

靴まで自作とはなかなかサバイバルな状況ですが、悲壮感はありません。むしろ楽しそう。

お金がないから買えない、よし、じゃあ作ろう!というペリーヌの前むきなバイタリティが素敵なんです。お話の魔法がかかるのか、葦で編んだ靴がお姫さまの靴よりも素敵に思えてきます。空き缶で作るご飯だってとっても美味しそう。粗末な小屋だって暖かで居心地の良い家になるのです。

実際こんな状況になったら大変どころの騒ぎじゃないと思いますが、ペリーヌの知恵と発想で暮らしを豊かにしていく様は子供心にはすごく魅力的で、こんな風に暮らしてみたいと憧れるほど。この場面だけ何度も読み返したりもしました。

私も空き缶でご飯作ってみたい!と思うものの、実行すれば母に叱られること必至ですから、さすがにやりはしませんでした。

優しくて賢いペリーヌ。

ペリーヌを支えてくれたお母さんの言葉も素敵です。

「あなたが人を愛すれば人はあなたを愛さずにはいられなくなります。そうすればあなたの不幸は終わります」

この言葉通り、ヴュルフランを愛し、工場の同僚を思いやり行動するペリーヌ。

彼女の真心が偏屈なヴュルフランの心を暖かなものに変えていき、最後には大団円を迎えるのですが、なんとなくお屋敷住まいのペリーヌが想像つかない(笑)。

きっとお屋敷に入ってもペリーヌはペリーヌのままで、小さなことにも喜びを見出して、工場で働く人たちにも心を配っていくのでしょうね。

大人になった今でもペリーヌの水辺の小屋は憧れです!



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