今も大好きな児童向け文庫

 突然ですが。

 フォア文庫をご存知でしょうか。

 4つの出版社が共同で出版している文庫の児童書シリーズです。

 今も続いているようで嬉しい限り。

 前回書いたとおり、姉の教科書を漁った結果漢字もそこそこ読めるようになり、字の多い本に手を出すようになった私。

 大判の本よりも収録されている話数が多いのもお得な気がしてこのフォア文庫シリーズにまず手を出します。

 前回書いた王さまシリーズも収録されているこの文庫。

 今でも読まれている名作揃いです。

 まず『ふしぎなかぎばあさん』。

 鍵を無くして困っている鍵っ子のところに現れて、楽しい歌を歌いながら美味しいごはんを作ってくれるかぎばあさん。その暖かさに子供の心はほぐれていき、抱えていた寂しさや悩みを吐き出して少し心が軽くなるのです。

 かぎばあさんの作るごはんのどれもおいしそうなこと!熱々のマカロニグラタン、晩ごはんにリクエストしたなあ。

 そして灰谷健次郎作品に出会ったのもこのフォア文庫でした。

 最初に読んだのは『プゥ一等あげます』。

 これはもうゲラゲラ笑いながら読むこと請け合い。今よりも色んなことに大らかというか大雑把だった時代のお話なので、今なら考えられないような内容ではありますが、のびのびとイタズラする子供達の姿、子供達と対等にあろうとする先生がユーモアたっぷりに描かれて今読んでも魅力的なお話です。

 ここから灰谷作品を長年追いかけるようになりました。母も好きで、一般書も家にあったことも影響しています。

 フォア文庫以外にも『きみはダックス先生がきらいか』や『ろくべえまってろよ』、『ひとりぼっちの動物園』、3、4年生あたりで『兎の目』や『太陽の子』を読んだかな?たくさん読みました。

 他にも『チョコレート戦争』や椋鳩十シリーズ『ほらふきうそつきものがたり』『はずかしかったものがたり』、宮沢賢治も初めてはフォア文庫だったと思います。

 もちろんフォア文庫以外の児童向け文庫も読むようになりました。

 なにより単行本よりも安いので母にもねだりやすかったので家にも児童向け文庫が増殖していきました。

 偕成社文庫はなんといっても『大どろぼうホッツェンプロッツ』シリーズ!悪党と少年達が渡り合うというお話は色々ありますが、ホッツェンプロッツのどこかとぼけた悪党ぶりが面白くて大好きでした。ザワークラウトを初めて知ったのはこの作品だったように思います。焼きソーセージとザワークラウト、キノコのスープ、マッシュポテト……。出てくる食べ物が美味しそうなのもいいですよね!

『あしながおじさん』、『続あしながおじさん』も偕成社文庫のものだったように思います。日本の作品だと『大きい一年生と小さい二年生』をよく覚えています。私が小柄な方だったので、小さいい二年生の女の子に親近感がありました。

 そしてもう一つ、児童向け文庫で忘れてはいけない青い鳥文庫!

 これは本当に思い入れがあるので、別に書きます。

 というわけで次は青い鳥文庫の思い出です。


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