第62話 新しいスキルだよ!
おはようございます。
今日も良い天気です。
朝のルーティンを終えて、今日は午前中にオリバー先生が来る予定なので、それまでに一昨日の実験結果を確認しておこう。
昨夜はセルバスの話に気を取られて、確認するのを忘れていたからね。
やったね!実験成功だよ!
あの時、祖父の邸からお財布画面を僕の部屋に出すイメージで、キャンディを引き出しの中に入れておいたのだよ。
くくく…これでイメージさえ出来れば、好きな場所でお財布から物を出す事が出来る事が証明されたのだ!
でも、入れる方は流石に遠隔では出来ないみたいなんだよね。
例えば机の上にキャンディを置いて、離れた場所からキャンディの上に被せるように画面を開いても入らない。
でも、画面を開いておいて、そこに僕がキャンディを投げ込む事は出来る。
だから僕が触れている物しか入らないと言う訳でもないみたい。
他の物体に接してるとダメなのか、僕が一旦触らないとダメなのか、理由がわかれば解決しそうな気もする。
先生が画面に向かって投げても入るのか、色々と試したいところだね。
そんな感じで出し入れをしていたからか、気付いたらスキルのレベルが上がっていたよ。
と言うか、経験値の表示が(100/100)になって、新しいスキルが生えたから厳密にはレベルアップとは違うみたいだね。
スキルのレベルが上がるのではなく、経験値が上がると関連するスキルが生えるとか、そんな感じっぽい。
こう言うのをスキルツリー方式って言うんだっけ?
まあ覚えるスキルを選べる訳でもないので、その辺はどうでも良いか。
そして、新しいスキルは『配達』だった。
どんなスキル効果があるんだろう?
僕の思ってる配達なら、荷物を指定の場所まで運んでくれるイメージなんだけど。
まさかとは思うけど魔法で転送してくれるなんて感じの、この世界でもファンタジーだと思われるような能力だったりして。
でもダブルタップしても経験値が(0/100)になるだけだし、使おうと意識してもよくわからない。
お財布画面を開いてみたけど、得に変わりはないな。
もう一度ステータス画面にしようとフリックしたら、画面が変わった。
いつもは同じ方向にフリックしたら一周してステータス画面に戻るのに、『配達』画面が増えている。
これが配達スキルに関係しているのは間違いなさそうだね。
配達と書かれた画面には、見出しに宛先と内容と個数と書かれた枠が表示されている。
リストは2行分が埋まっていて、1件はオリバー・ウィル・シスレー、手紙、1となっている。
もう1件はブラジリエ牧場、紹介状、1となっている。
ほほう。
これなら誰に何を渡すのか解りやすいね。
ふと、宛先の文字だけ色が違う事に気付いたので、タップしてみる。
すると、オリバー先生の住所と現在地が表示された。
マジで?
住所:ドラクロワ王都シスレー男爵邸、現在地:南東300mと、ざっくりとしてはいるが、このスキルに個人情報の保護は出来ないようだね。
そりゃあ配達には便利だから助かるけど、ストーカーみたいでなんか嫌だよ。
しかし、どういった原理で住所や居場所が判るのか、本当に謎スキルだね。
あ、現在地が少しずつ近付いている。
今は南東200mになってるね。
どうやら僕を起点に現在地が表示されてて、近付いているのかがわかるみたい。
今更なんだけど、僕のステータスは日本語で見えているんだよね。
先生が教えてくれたけど、ステータスはその人の母国語で表示されるらしい。
なぜ″らしい″なのかと言うと、教育が不十分な5歳児でも読めるからだよ。
この事から、文字の様に見えているが、実際は本人が理解出来るようにイメージを受け取っていると言う話もあるからなんだとか。
この辺も
僕も読み書きは5歳になる少し前から教えてもらってはいるが、英語でも日本語でもない文字を1から覚えるには、まだ単語が覚束ない。
それなのにステータスはちゃんと読めるのは、僕が理解出来る日本語で表示されているからだよね。
この世界に日本語なんてある訳がないから、イメージと言うのは
因みに、この世界の長さの単位はマイアだよ。
なんでも女神様の身長を基準にしているんだとか。
僕が祝福を受けた教会にある女神像が実物大らしいから、僕の主観では1マイアは約160cmくらいって感じ。
そして100分の1マイア(約1.6cm)は1マイアスになる。
僕の身長は110cmくらいだと思うんだけど、服を作る時に68.5マイアスだって言われたから、背が縮んだような気分になったよ。
身に付いた感覚と違うから、心の中でメートル換算をするのが大変だよ。
ラノベ的ご都合主義で、単位は違っても同じ長さだったら良かったのに。
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