第43話 姫騎士が存在したよ!
先ずは今いる2階の説明からしてくれたよ。
応接室や会議室があって、応接室では今回みたいに契約や依頼の受注をしたり貴族の対応で主に使われる。
会議室では会議以外にも、合同依頼の説明をしたりするんだって。
合同依頼は複数のパーティーが同じ依頼を受けるんだけど、別々に依頼内容を説明すると、内容に齟齬が出たりして揉めるので、一緒に説明するんだとか。
その他に資料室もあって、受付で申込めば資料を見る事が出来るんだって。
魔物やダンジョンの情報や、素材や薬草等の採取する時の注意など冒険者としての基本的な情報が集められているから、依頼の前に確認しておく事を勧めているそう。
資料は持ち出し禁止だけど、書き写すのは構わないってさ。
先生は全て読んだんだって、流石だね。
3階はギルド職員しか入れないけど、ギルドマスターの部屋とか執務室とか後は職員の一部が住んでるそうだよ。
1階は入って正面に受付カウンターがあり、依頼の受発注に冒険者登録や契約申込などで別れている。
右側に壁を挟んで買取カウンターがあり、通路で繋がっているが、外からも直接入れるみたい。
大きな魔物とかは、解体場に直接搬入するんだけど、本部には解体場がないから間違えて持って来ないようにねって。
僕が大きな魔物を倒せる訳がないから、鉄板の説明なのかな?
左側に階段があって、その奥にテーブルと椅子があるから、テンプレの酒場かと思いきや、待合室とトイレだった。
飲食をする場合は、向かい側の食堂や近隣に酒場やレストランもあるから、そちらに行って下さいだって。
これなら酔った冒険者に、新人が絡まれるイベントもなさそうだね。
まぁ貴族も出入りするギルドで問題を起こしたら、どうなるかわからないもんね。
壁際にも椅子を置いてあるから、ほとんどの人はそこに座ってる。
時々、受付の人がパーティー名らしき名前を呼んでるよ。
『破滅の魔道師』とか『暗黒のソードマスター』とか『姫騎士連盟』とか…真面目な顔して様付けで呼んでるから笑いそうなんだけど。
…姫騎士はクッコロなんだろうか?
思わずそっちを見たら、受付に行ったヤツ男なんだけど、どゆこと!?
先生が姫騎士好きな人達のパーティーだよって教えてくれたけど、何で知ってるの?有名人なの?
てか姫騎士いるの?
えぇ!?いるんだ!?
王女のクラスが騎士なんだって。
現在、騎士学校に通われてるから、王都に住む人なら知ってるそうな。
ふぇ~王族でも騎士になれるの?
別に本当に騎士になるんじゃなくて、クラスに合わせた勉強をするという事だそうな。
貴族令嬢にも戦士系のクラスはいるから、特別な事ではないらしい。
待望の依頼書は、受付と買取カウンターの間の壁に貼り出されていたよ。
通路を挟んで右側が7~10級の依頼で、左側が3~6級の依頼なんだって。
1~2級は直接依頼をするから貼り出さないって。
と言うのも1~2級の依頼を受けれる人なんて、そんなにいないから指名依頼と同じ様なものだとか。
冒険者の等級は、10~9級が
過去にはオリハルコンを越える、特級の
金属としてオリハルコンとアダマンタイトのどっちが上か議論もあったけど、希少性でアダマンタイトなんだとか。
オリハルコンはダンジョンや鉱山でも時々出るけど、アダマンタイトは
ドラゴンの爪や牙なのに金属扱いなの?
性質としては金属と同じで、鍛冶師なら成形出来るんだって。
その金剛帝竜を倒した人が初代アダマンタイト級冒険者で、絵本にもなってる"カミーユの冒険"の主人公で、更に我がドラクロワ国の初代国王なんだそう。
国宝に初代国王の使ってた、アダマンタイトの剣があるんだとか。
なるほど~神竜と契約した上に金剛帝竜まで倒した凄い人なんだね…うんチート過ぎない?
そんな人外はおいといて、シルバーになれば一人前の冒険者って事で認められるから、とりあえず皆ここを目指すけど、ほとんどが攻撃職ばかりなんだって。
ブロンズまでは文系職や生産職でも上がるのは簡単だけど、8級からは厳しくなる。
攻撃スキルがないなら、スキルに回復や補助でもないとパーティーに入れて貰えないから諦めるんだって。
ちなみに補助スキルは、バフ等の状態変化系かアイテムボックス等の運搬系か、鑑定系が人気なんだとか。
僕のお財布なら、運搬系になるのかな?
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