第38話 封印したよ!
祖父の部屋へやって来たけど、僕に聞かせる話じゃないからと追い出された。
お泊まりした部屋に戻って、とりあえず1人にして貰う。
時間が出来たから実験でもしようと思う。
ステータスを見ると、祖母へ手紙配達をした後に確認を忘れてたから、経験値が1ずつ入ってた。
少し経験値が少なく感じたけど、よく考えてみたら簡単な手紙配達で経験値が増えるなんてチートだよね。
この調子で経験値を稼げば、普通は数ヶ月かかる所を、数日でレベルアップしちゃうよ。
宝物入れを出すと、蟻が元気に動き回っている。
う~ん。このままにするのも可哀想だから、家に帰ったら庭に放すかな。
あれ?この蟻ってこんなに大きかったっけ?
日本で見慣れた蟻よりは大きかったけど、初めに見た時は1.5倍くらいだったと思うんだけど、今は2倍くらいあるよ。
キャンディも水滴も減ってないし、草も…若干ツヤツヤしてる?
いや、落ち着け…そもそもお財布の中は時間停止じゃなかったのか?
その証拠にキャンディも水滴も変化していない。
それに蟻は成虫なんだから、これ以上は大きくなるはずがないよ。
草がツヤツヤしてるのは、切り花でも咲くんだし、あるのかな?
…水に浸けてないのに?
いや、ここはファンタジーな世界だから、地球の常識では測れない何かがあるのかも。
とりあえず宝物入れは封印しておこう。
ふとステータスを確認するとスキルの経験値が1上がっている。
そう言えば最初に蟻を出し入れした時も、思ったより経験値が入った気がしたが、色々と実験をした後だからだと思ってた。
生き物は経験値が高いのかな?
気持ちを切り替える為に、違う実験をしよう。
小銭入れからキャンディを取り出し、もう一度小銭入れに入れる。
お財布画面ではキャンディが8と1に別れた。
違う入れ物から入れると表示が別れるんだ。
前回は小銭入れから出して、画面に入れたから気付かなかった。
もう一度小銭入れからキャンディを取り出すと、1の方が無くなる。
画面から入れると9になった。
う~ん、もう一度取り出してから、小銭入れに入れるつもりで画面に入れたら8と1に別れた。
画面から取り出し、小銭入れから纏めるように意識して入れると9になった、
やはり僕の認識が、かなりの範囲に影響するみたいだね。
ふと思い付いて、ライトを唱えてみる。
イメージ通りの5cmくらいの光玉が出たのを画面に入れてみる。
やった~!入ったよ!
魔法を入れておけるなら、攻撃魔法を画面から出せたら、誰にも見えない攻撃が出来るぞ!
…と、思っていた時が僕にもありました。
思い出して欲しいが、取り出す時に画面をクリックする為には、僕の方に画面が向いてると言う事を。
つまり攻撃魔法を取り出したら、僕に直撃しちゃうよ!
これは裏面からクリックする技を磨くしかないね。
ここで画面を回す機能が役に立つとはね。
鏡に映れば良かったのに、本人の頭の中の画面なんだから映らないよね…
イメージだから、絶対に出来るはず。
いや~金貨じゃないよ!
あぁ~キャンディが!…3秒ルールならセーフ?
この辺か~やった光玉が出た!
この感覚を忘れない内に…って考えたら僕のクラスで攻撃魔法って覚えるの?
まぁ、目的の物を画面を見ずに取り出せるのは、無駄じゃないよね?
どれくらい離れた所から出せるか知りたくなって、画面を遠くに出せるのか試してみた。
驚く事に、かなり遠くにある庭の木の上とかでも出せた。
まぁ、これも正確には頭の中の認識で、その辺りにあるように見えるって事なんだろうけ…ど…
…まさか…いや、でも…そうだよ…可能性はある……
よし、やってみよう。
うう~ん…こうかな…よしここに…これなら…ふふふ。
キャンディが8になった画面をみてほくそ笑む。
実験に満足した僕は、ステータスを確認する。
経験値はレベルとクラスが2とスキルが4上がったね。
光玉も経験値が高いのかな?
それからチリリンと呼び鈴を鳴らす。
喉が渇いたから、アイスティーを所望したよ。
我が家でもメイプルシロップを用意して貰おうと思う。
比重の重い順にユックリ注ぐと、綺麗な層になるとかあったよね。
何気無くセルバスにそんな話をしたら、再現してくれたよ。
メイプルシロップをオラジンのジュースで溶かした上に、ゆっくり紅茶を注いだら綺麗な二層になったよ。
「これはお出しする前にお見せすると、お茶会で喜ばれそうですね。果汁を変えれば色んなパターンで出来ますし、蜂蜜を使えば三層にも出来そうです。ヴィンセント様は変わった事を思い付かれますね」
ギクリ。
「水と油で層が出来るって話を聞いた事があったから、偶々だよ」
「その話だけで思い付かれるとは、素晴らしいです」
いや前世のSNSで見ただけだから、僕のアイデアじゃないよ。
女子にモテようと思って調べただけだから、そんな感心したような目でみないで!
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