第14話 お金を貰ったよ!

 夕食まで母の部屋で過ごして、一緒に食堂に行く事になった。


 母から手紙の感想やら惚気やらを聞いたりしたよ。


 時間が来たので食堂に行くと、父が既に待っていた。


「ルーベン様、お待たせしました」

「いや、私が早目に来たからね」


 すすっと両親の横を通って席に着く。

 イチャラブに一々付き合えない。

 さっきの母の惚気でお腹いっぱいだよ。


 食事中もハートが飛び交う空気に、苦笑いしか出ないわ。

 まぁ僕も母が恋する乙女のようだったとか、父に告げて煽った自覚はあるよ。


 また弟妹が出来るかもね~。


 ちなみにマシューの言ってた特別料理は、七面鳥に似た鳥の丸焼きだった。


 パーティーでもないと出て来ない料理だけど、たまたま知り合いの冒険者から直接買い取れたからだって。


 照りのある皮も美味しかったし、僕の好きなササミを両親が譲ってくれたしで満足したよ。


 食事の後はお風呂に入って寝たよ。

 今日は色々したから、朝までぐっすりだった。


 翌日の朝食は3人揃ってたから、食欲もりもりだった。

 やはり1人で食べるより美味しく感じるよ。


 父からお使いも頼まれたからテンションアゲアゲだよ。

 今日は午前中の予定はなかったから、早速行ってくるよ。


 着替えて馬車に乗り込む。

 そう、初めての外へのお使いだよ。


 先触れは父が出してるから、僕は連れて行かれるだけの、簡単なお使いって言われたけど1人で外出するのはドキドキだよ。


 あ、今日はセルバスと一緒だし、外には護衛の騎士も着いて来てるから、厳密には1人じゃないけど。


 窓から景色を眺めていると、タラッタッタッタタ~ララ~タ~ラ~と、世界の風景を紹介する番組のテーマが頭を流れる。


 貴族は馬車移動だから道を歩いてる人は少ない。

 下働きらしき人を見かけるくらいだね。


 王都は三重の壁に囲まれてて、内側から王宮の城壁、貴族街の内壁、一番外側の外壁になってる。


 平民は内壁を出入りするのは審査が厳しいらしい。


 外壁の門は昼間は開けっ放しらしいけど、入るにはお金がいるんだって。


 そうだセルバスにお金について聞いてみよう。


 お金は全て硬貨で、鉄貨・銅貨・小銀貨・銀貨・小金貨・金貨・大金貨だって。


 鉄貨10枚が銅貨1枚

 銅貨5枚が小銀貨1枚

 小銀貨2枚が銀貨1枚

 銀貨5枚が小金貨1枚

 小金貨2枚が金貨1枚

 金貨10枚が大金貨1枚


 分かりにくいけど日本円なら、10円・100円・500円・千円、5千円、1万円、10万円て感じかな。


 鉄貨や銅貨は貴族は使わないし、大金貨は商人や貴族しか使わないんだって。

 それに買い物は基本的にカードで払うって…この世界はクレジットカードがあるの?


 商人ギルドや冒険者ギルドで発行してる、ギルドカードに預金支払機能があるんだって。


 貴族は貴族カードがあるから、僕もいずれは作って貰えるらしい。


 魔道具で現代の機能あるあるだね。


 ギルドカードは預金額までしか使えないデビットカードみたいなもので、貴族カードはクレジットカードと同じで分割やリボ払いまで出来ちゃうらしい。


 それからセルバスが持ってた、小銀貨から金貨までを見せてくれたよ。


 小銀貨と小金貨は50円玉みたいに穴が開いてて、銀貨は100円玉くらいの大きさだよ。


 金貨は500円玉サイズだけど意外と重かった。

 大金貨は小判みたいな形らしい。


 鉄貨と銅貨は穴が開いてて、平民は小銀貨までは紐に通して持ち歩くらしい。


 あまりにも僕が繁々と見ていたからか、セルバスが硬貨を1枚ずつくれた。


 遠慮したけど、チップ用に持ってる物だから構わないって。

 って言うか、それ袖の下ってヤツでは?


 そんな話しをしてたら目的地についたよ。


 門番がいる立派な鉄門がある向こうに、ホテルかと思う大きさの邸宅がある。


 大きな噴水があって、モザイクタイルが敷き詰められた道を、馬車で進むようになってる。


 生け垣も模様を描くように配置されてて、きっと邸宅の上階から綺麗に見える作りなんだと思う。


 入り口に着いてセルバスに降ろして貰ったら、執事らしき人が待っていた。


 シンデレラが靴を落としそうな階段があって、両側から上がれるようになっている。


 ここは玄関が2階にあるんだね…

 さすが侯爵家は規模が違うよ。


 そう、ここはシャガーリオ侯爵家、つまり僕は祖父のお家に来たんだよ。

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