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 さて、その後のことです。


 現在、この部屋の片隅でもってテーブルを囲んだ状態。守大臣とウメコさん、さらに僕ごときまでが参加しての防衛会議が行われています。


 まあ、僕の主な役割は、お茶汲みですけどね。


 それはともかく、先に当室に持ち込まれた機器を使っての分析によれば、僕も予想していたように、超銀河伝説連邦と戦ったところで、地球側に勝ち目はないとの結論が出ました。


 出ました…が、守大臣曰く、我が地球には最終秘密兵器があるそうで…


「…これを使えば、勝率は一気に50%。いかがでしょうか、ウメコさん」


 果たして、ウメコさんの返答やいかに。


「ええ、やってみる価値は十分にあると思いまス」

 

 どうやら、ウメコさんも賛成。まあ、彼女が言うなら、なお間違いはないかも知れません。


 そんな訳で、我らが地球は、その最終秘密兵器とやらを使って、超銀河伝説連邦の大船団と交戦する運びとなりました。


 しっかし、この場だけで勝手に、しかも守さんウメコさんの2人で、そんな地球の命運を決めちゃっていいんでしょーかね。ほんとに。


 疑問溢れる午後3時過ぎ。守大臣が、僕とウメコさんに向かって言ってきました。


「では、さっそくお2人に、我が地球の最終秘密兵器をご覧いただきましょう」


 と、その守大臣に促されるままに、僕とウメコさんは部屋の外へ。どこへ向かうとも知れず、彼に付いて歩き始めました。


 そして、しばらく後…


 僕ら3人揃ってやって来たのは、いつもの空き地です。


 はて、一体ここに何があると言うのでしょうか。例の土管の他は、特に何も見当たりませんが…


 ウメコさんもまた、きょとんと周囲を窺うばかりです。


 おや、そこで何やら片腕を口元に。と同時に守大臣が、


「最終秘密兵器発動!」


 自身愛用という、木製の腕時計に向け声を張りました。

 

「もしや、ジャイ〇ントロボでも呼ぼうとしているのでしょうカ」


「確かに、所作が似て…」

 

 あいや、なぜウメコさんが、そんなロボを知っている…っとと、こんな時に地震でしょうか。突然、僕らの足下が少なからず揺らぎ始めました。


 と思ったら、驚き桃の木愛玉子オーギョーチー。なんと、この空き地の中央付近が、十数メートル四方に亘ってスライド。同じくして、ぽっかりと空いた地面の中から、なにやら巨大な人型が迫り上がってきたのです!

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