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「ふ〜っ…気分転換に、ちょっとテレビでもつけましょうか」


「できれば、楽しい番組がいいでス」

 

 ウメコさんが寝返り打って、テレビの方を向くのと同じくして、僕はそのリモコンのスイッチをオン。


 すると、まず画面に現れたのは1人の男性アナウンサー。それは、国営放送NKHのニュース番組です。


「え〜と、楽しいのは…」


 と、さっそく僕が、チャンネルを変えようとした瞬間です。


『…いま入ったニュースです。WASAワメリカ航空宇宙局によりますと、現在、未確認の宇宙船らしき物体が多数、火星付近を地球に向け航行中とのことで…』


 はて、多数の宇宙船ですと? それは、まるでSFの世界のようです。


 あいや、これはひょっとして…


「ウメコさんっ…」


 はたと僕が目を向けた時には、すでにウメコさんは半身を起こしていました。


「もしかすると超銀河伝説連邦が、我が帝国を滅ぼした勢いで、今度は地球を侵略しにきたストーリーの都合上のかも知れませン」


 にわかに生気を取り戻した様子。布団を退け退けウメコさんが、僕の脇にやってきました。

 

「実は僕も、その辺じゃないかな〜、と思ったんです」

 

 しかし、もしそれが本当なら、もちろんエラいことです。


 ウメコさんには悪いですが、せっかくダンガル帝国の侵略が潰えたというのに、一難去ってまた一難となってしまうのでしょうか。


 おやっ、突如としてテレビの画面が切り替わって、なんだか太っちょのオジサンの姿が映し出されました。


『は〜っはっはっは〜っ、地球の諸君ッ。ごきげんよう』


「あ、あれは、ハトーヤ連邦の大将軍ガガーンではありませんカッ」


 どうりで、スペーシーな姿。その画面の彼を目に、ぐいとウメコさんが乗り出します。


「ということは、やっぱり…」

 

 そう僕が言いかけたところで、


『拙者、ハトーヤ連邦兼銀河伝説王国の将軍ガガーンと申す。真に唐突かつ勝手ながら、我ら超銀河伝説連邦は、この度、皆さんの地球を侵略にやってきたでござる』


 ご親切にも、向こう様が僕の疑問に答えてくれました。なぜか急に時代劇調で。

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