ダンガル帝国よ永遠に

「…ウメコさん。そろそろ充電の時間ですよ」


「きょうは食欲がないので、あとにしまス…」


 部屋の一角。ご覧の通り、ウメコさんは布団被って寝込んじゃってます。


 あれから調査の結果、ダンガル帝国の滅亡は事実と判明。そのショックのあまりに、です。


 無理もありません。なんといってもウメコさんは、地球侵略が叶わぬどころか、帰る故郷を失ってしまったのですからね。


「でも、しっかり充電しないと身体に悪いですよ。じゃあ、僕がやってあげますから、ね」


 言って僕は、まずウメコさんの足の方へ。で、布団を少し捲るや彼女の踵の中から充電コードを引っ張り出し出し、そのプラグをば壁のソケットに差し込みました。


「テン殿〜、いつもすまないでス〜」


「それは言わない約束でしょ。ウメコさん」


 にしても、こうウメコさんが落ち込んでると、なんだか僕もお仕事に身が入りません。まあ、そうでなくても、ですけどね。


「…しかし、本当にダンガル帝国が滅んでしまうとは…」


 結局、執筆中止。その後、例のローテーブルに着きながら僕が呟けば、


「まさか敵対勢力同士が同盟するとは思いませなんダ」

 

 なお布団の中。ため息混じりに、ウメコさんが返してきます。


 そう、ウメコさん曰く、この度ダンガル帝国を滅ぼしたというのは、いずれも同国の敵対勢力。ヨイトコ星の隣はヨイフロ星を支配するハトーヤ連邦共和国と、その斜め向かいのバインソ星を治める、銀河伝説王国が同盟して出来た国家とのこと。


 その名も、超銀河伝説連邦。ただでさえ強力なライバルだった国家同士が同盟となれば、ダンガル帝国が敗れるのもやむを得ない。とは、これまたウメコさんの弁です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る