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「て、帝国が、ですとナッ!?」


 もし事実なら、それは地球人の僕としても、少なからず驚きです。


 もちろんウメコさんは、それ以上に。


「そ、そんなでス…」


『…チナミニ、コウテイヘイカ、モロイッセイハ、センヨウカプセルニテ、ヨイトコセイヲダッシュツノノチ、ショウソクフメイデアル。クリカエス…』

 

 いやはや、なんだか話が違いに違ってくる中、再びウメコさんが、僕を見てきました。


「テ、テン殿っ…なんと、我が帝国が滅びてしまったそうでスッ」


「ええ、いま何となく聞きましたけど…」


 無論、ダンガル帝国が滅びることによって、地球への侵略がなくなったのなら、それはそれで嬉しいことです。


 が、いまのウメコさんの悲しそうな顔を見ていると、どうにも手放しで喜べぬ僕は、我ながらお人好しというか何というか…


「つきましては、皇帝陛下は専用カプセルにてヨイトコ星を脱出の後、消息不明とのことでス」


「ええ、それも何となく」


 んっ、なぜかここで、ウメコさんの表情が一転。ふと我に返ったように言いました。


「でも、これは我が帝国と対立する勢力によるインチキ放送かも知れません。すぐに宇宙船に行って、詳しく調べてみまスッ」


 青天の霹靂、寝耳に水とは、まさにこのことか。すくと立ち上がるやウメコさんは、さっそく宇宙船へと向かって、部屋を飛び出していきました。

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