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「ウメコさん、なんか通信機から声がしてますよっ」
ひょっとして、ダンガル帝国からの連絡か。僕が窓から呼びかければ、
「えっ、ちょっとお待ちを。いまそっちへいきますのデッ」
いきおい慌てた様子でウメコさんが動き出しました。
そして…
「…こちらウメコっ…こちらヤマザキウメコでスッ…」
通信機の小さなマイクを片手に、逆に呼びかけ始めるウメコさんです。
にしても、外で列を作っていた人たちまで、なぜ一緒にこの部屋に?
まあ、宇宙船を見学に来るだけあって、やはり興味があるのでしょう。ウメコさんの通信を、皆が皆、固唾を飲んで見守っています。
しかし、この部屋に20人ほども入れるなんて、僕は初めて知りました。
なんて、感心していると…
『…あ、ラーメン2つ、出前お願いしますっ…』
ずどどどっ…!
一同、かくもレトロに、ズッコケるの音。
やれやれ、時々タクシーや警察の無線が入ってくることはありましたが、まさか出前の注文まで飛び込んでくるとは…
これには、さすがのウメコさんも、目が点に。また集まった方々も皆、ため息や苦笑のうちに戻っていきました。
きょうも我が町は平和なようです。
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