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通信機その他、なにか小型の機器類はいいとしても、『祈 地球征服』と書かれた横断幕を始め、国旗でしょうか。中央に鷲っぽい鳥が描かれた旗(やはりダンガル帝国の国旗だそうです)が壁に飾られ、また、その下の床には、大きな地球儀のような(ヨイトコ星の)模型が置かれています。
しまいには、
「これで終わりでス」
とウメコさんが最後に運び込んできたのは、なんと等身大の人形ではありませんか。
高さ180センチくらい。銀色に輝く鎧や黄金色の冠、さらに赤色のマントや黒のブーツなど纏ったそれは、ウメコさん曰く、
「我が皇帝、モロ1世の等身大フィギュアなのでス」
だそうです。おまけに全身可動の。
「しかし、ずいぶんと若くてハンサムなんですね。皇帝さんは」
てっきり、白髪のおじーさんとか想像していた僕は、ちょっぴり意外に思いました。
「特に帝国の女性たちの憧れの的なのでス」
応える傍らウメコさんが、そのフィギュアを、とりあえず片手で玄関の方を指差すというポーズに固定。帝国色が強まる一方の当室内です。
「ささ、テン殿。我が帝国のプレミアムサポーターとして、ワタシと一緒に我が皇帝陛下にご挨拶するでス」
はて、これまた一体いつ僕が、ダンガル帝国のサポーターに? たしかに、あのステッカーは冷蔵庫に貼ってありますけど…
「さ、座ってくださイ」
「あ、はいはい」
つい、つられて一緒に正座の姿勢。ウメコさんともども僕は、皇帝さんのフィギュアの前で伏しました。
なぜ僕までが…?
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