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翌日。
ところは、我が部屋のキッチン。鍋だのフライパンだのコンロに乗せ乗せ僕は、いよいよ宇宙船の燃料作りを開始しました。
「…大豆は、あらかじめ炒っておいた方が香ばしさが出てよい、か」
果たして、燃料に香ばしさが必要なのかは分かりませんが、とりあえず宇宙船のコンピューターによるレシピには、そう書いてあるので、その通りに進めていきます。
「で、湯が沸騰したら、そこに炒った大豆を加え、さらに塩を入れて、約10分ほど煮込む」
したらば、そこに、あーたらこーたら…
ところで、この間にウメコさんが、部屋と外とを行ったり来たりしているのは、宇宙船の中から必要な機器や荷物を移しているからです。
言わずと、少なくとも1年間は、ここに住むことになりましたのでね。
かたや僕は、すっかり作業に没頭。せっせとそれを続けます。
そして…
「…ゴマ油は、お好みによって量を調節。で、最後に軽く混ぜ合わせて出来上がり、と」
はいっ、ついに第一弾が完成。せいぜい一度に10㍑程度しか作れぬ為、それをベランダに持っていって、そこに置かれた大きなドラム缶に注ぐという作業を、計20回も繰り返すことになります。
ちなみに、これまたサポーターからのご厚意により頂いた物。そのドラム缶は、200㍑入りの新品です。
「さぁて、続いて第二弾へ…」
と、そこで僕は気づいてしまいました。この部屋の異変に。
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