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「…ふ〜む、地球侵略の為に、はるばる宇宙から…ですか」


「ええ、正確には…その足掛かりを作るために、ですけどネ」


 頷くや、その美人おねーさんは、ニコリと微笑みました。


「足掛かり…なるほど」


 要するに、この美人さん…後々、地球を侵略するにあたって、それを容易にすべく協力者を募る為、遥か宇宙はダンガル帝国とやらから派遣されてきたのだそうです。


 まあ、悪い言い方をすれば、裏切り者・・・・を集めにきた訳ですね。

 

 ちなみに、先ほどの場合は、子どもたちにお菓子を配った上で、その約束を取り付けたとのこと。ふ〜む…


 しかし、えてして気まぐれな子どもたちとの約束を、そんな重視するなんて、意外と純粋な人なのかも知れません。この…えーと…


「えーと、お名前をお聞きしてもいいでしょうか。ちなみに僕は、葛城天です。どぞよろしく」


「こちらこそ。ワタシはヤマザキ…ウメコと申し…まス」


 おや、その宇宙人にしては随分と、地球人かつ和風っぽい名前もさることながら、なんだか急に様子が変です。このヤマザキウメコさんとやらの。


「…いま…25歳…です。ど…うぞ…よろ…し…ク…」


 そう、やけに言葉がたどたどしくなってきたと思ったら、以降、ウメコさんは黙り込んでしまいました。しかも、前屈みに項垂れたまま、まったく動きません。


「ま、まさか急に死…あいや、とにかく救急車をっ…」


 かくして(携帯を持って出なかった)僕は、とりあえずウメコさんをこの場に残し、急ぎ我がアパートへ。すかさず119番へ通報するのでした。 

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