一連托生
「あ~もうこんなの絶対終わらないよ」
ノワール君は人のまばらになったオフィスで、カチカチとキーボードを叩く。
彼は今日の分の仕事が終わらず、定時を超えて仕事をしていた。
「もう九時か……ちべすな君ごめんね。後は僕がやっておくから帰っていいよ」
ノワール君の向かいの机では、彼を手伝っていたちべすな君が真顔でキーボード叩いていた。
この仕事はノワール君が任されたものだが、ちべすな君は彼を気遣って一緒に残って仕事をしてくれていた。
ありがたいがさすがにこれ以上の拘束は申し訳ない、それにもう少し頑張れば終電には終わりそうだ。
そういった事を踏まえて、ノワール君はちべすな君に帰宅を提案したのだ。
だがちべすな君は、首を横に振り作業の手を止めない。
「ちべすな君、気持ちは嬉しいけどこれ以上は悪いよ。僕の事はいいから」
ぴたりとちべすな君の手が止まる。
彼のすんとした顔が、ノワール君の方を見た。
「
「いち……ちょっと待って」
ノワール君はスマホで言葉の意味を調べる。
「えーっと……つまり僕の仲間として一緒に仕事してくれるって事?」
ちべすな君は深く頷く。
「わかった! ありがとう! なら二人でさっさと片付けて帰ろう!」
二人は勢いを増して仕事に打ち込み始めた。
・
仲間として行動や運命を共にする……みたいな意味。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます