第32話 逃げ回る個体
キャノンフィッシュの上部が途端に赤黒くなると、彼の肉片が上空へと飛んでいった。分裂しまくり、そして跡形も無くなった。
「⁉︎……分裂した⁉︎」
そう思った直後、遥か上空からその赤黒い肉片が落ちてきた。
「避けてウォクト!!!!!!」
「なんだあれ⁉︎」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
肉片は2匹目掛けて落ちてくる。威力も抜群で、落ちた箇所に穴が空いてしまうほどだった。
「(これは走り続ければ避けられる!)」
絵面がかなりグロいが、我慢して走るしかない。
やがて肉片の雨が終わると、キャノンフィッシュが現れた。
「(今だ!!!!!!)」
ウォクトが触手を伸ばすが、キャノンフィッシュはまた避ける。視界が広いので、どこから伸ばしても避けられてしまう。
「真後ろから伸ばすしかなさそうだ」
またアンテナを伸ばすキャノンフィッシュ。今度のアンテナは………。
「⁉︎…失明する光!ルー、目を閉じろ!!!」
「え⁉︎ああうん!!!!!!」
パシャッッッッッッ
なんとか回避できたようだ。しかしまた別のアンテナが伸びる。
「今度は生物落下!これは申し訳ないが、避けるしかない!」
牛や
「しつけぇなおい!!!ならお前が気づかないうちに殺してやる!!!!!!」
またウォクトは触手を伸ばす、その時。
ブシャァァァァァァァァァァァァァ
「⁉︎」
なんと伸ばした触手が爆散した。しかも肉片や血液は飛ぶこともなく、すぐに消える。
「細胞破壊⁉︎……」
ウォクトはすぐに状況を判断し、伸ばすのをやめ、触手を再生した。
「ハァァァァァァァァァ??????そのまんま突っ込んで体ごと爆散しちまえばよかったのに!!!!!!!!!!!!」
「やはり細胞破壊………前方から突撃すると危ないな。距離があったからなんとかなったが、近距離で発動されるとまずい!」
キャノンフィッシュの上部にアンテナが伸びた。今まで見たことないアンテナだった。
「な、なんだ今度は。ルー、気をつけろ!奴は新技を発動しようとしている!」
「わかった!!!!!!」
アンテナに電気が集まった。とても強い電力が肌に感じる。
「キャノンフィッシュ砲!!!!!!」
ズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュズキュ!!!!!!!
アンテナから電撃の球体が連射された。超豪速球で、直撃したら追撃を喰らう羽目になるだろう。
「(これも横に走れば避けれる!攻撃のほとんどが走り続ければ避けられる!光と細胞破壊に気をつければよさそうだな)」
「オオオオオオオオオオオイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ、よけんなぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁ!!!!!!もう怒った、死ね」
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン
地面が突然爆発し、屋根の瓦が全て吹き飛んだ。
「わぁ⁉︎なんだ⁉︎」
ルーは残った骨組みに掴まって、なんとか耐えたが、この骨組みももうすぐ壊れそうだ。
「早く、上がらないと、死ぬ!負ける、わけには、いかない、んだ!!!!!!」
ルーは骨組みを伝って、登っていく。疲労は割と足に集中しているので、なんとかなった。
「ウォクトは⁉︎ウォクトは大丈夫かな⁉︎」
問題はウォクト。常に触手で移動しているため、疲労が触手全体に広がっている。
「くそぉぉ、筋肉を増幅させて、いや、そしたら骨組みが壊れる!」
なんとか触手を伸ばして脱出できたが、これで終わりではない。なんと幸運にも、キャノンフィッシュがルーの方を向いていた。
「今だ!!!!!!!!!!!!」
ウォクトはキャノンフィッシュの真後ろから触手を勢いよく伸ばし、ビンに掴まった。
「やべっ!変な真似すんなと言っただろうが!!!!!!」
「ルー、今だ!!!!!!」
ルーははっとし、大ジャンプし、蹴りの構えをする。
「やべっ、こうなったら、発動!!!!!!」
キャノンフィッシュが消えたかと思うと、ちょうど彼を小さくしたような分身が4体現れ、逃げた。
「分裂⁉︎…いや、ちょっと違う」
「どれか本物がいるんだ、きっと!探そう!!!!!!」
分身はどれも見分けがつかない。しかし、1体だけ妙に逃げ回る個体がいた。他の3体が優雅に泳ぐのにも関わらず。
「もしや、逃げ回っているあいつか⁉︎ルー、あいつかもしれない!!!!!!」
「OK!」
ルーは幅跳びで逃げ回る個体に近づいた。その個体は確かに逃げ回る。他の3体は逃げ回る個体に近づくと、攻撃してきた。
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