第31話 薬物ビン

突然キャノンフィッシュからアンテナが伸び、とてつもなく眩しい光を放った。ウォクトは生存本能だけで目を瞑ったため、なんとかなったが、直接見てしまえば失明するところだっただろう。

「………ルーは⁉︎」

ルーは屋根に落ちていて、顔を伏せていたため、なんとかなった。しかし思った通りにいかなくて、キャノンフィッシュは激怒した。

「バァァァァァァァァァァァァァァァァ、な、なんで今伏せていたんだよカンガルー!!!!!!こうなったらもう手加減しない。もがき苦しみ、絶望しながら死ね!冥土の土産話にもなんだろォォォォォォォォォォォ大ぉぉぉぉぉぉががおおおあたま七田ななアハラムは御旗わたさツラオ様?マサハヤトは村田日や、お半裸と半裸とザラと様!!!!!!」

キャノンフィッシュはどういうわけか、かなり情緒不安定らしい。目がガン開きで、鰭が高速で動いている。口は常に開いており、よだれが垂れ流しされている。ウォクトは思った。キャノンフィッシュの背鰭の方に突き刺さっている、あの巨大な薬物ビンが原因ではないかと。

その薬物ビンは1本だけではない、何本も突き刺さっているのだ。そして、その薬物ビンは遺跡で見た薬物と似たような液体が入っていた。

「(あの薬物は精神を狂わす何かなのか?もしそうだとしたら、すぐに抜いた方がいいのだろうが、血が常に出続けている。おそらくかなり奥まで刺さっているのだろう。しかし、流石にあの鰭では、あれほどの大きさのビンを奥まで刺せるとは思えないがな)」

キャノンフィッシュは攻撃のアンテナを止めることなく出し続けている。ルーもそれらの攻撃を避け続けて、時々石を投げて攻撃している。

「(あれほどアンテナを出しても、まだ戦えるのか⁉︎どんだけ生命力が強いんだ)」

ズドォォォォォンズドォォォォォン

ルーはキャノンフィッシュの攻撃を避けるのに必死だった。そのおかげで、いつもは必ず命中する石も、なかなか当たらない。

「また外した!攻撃の間隔が狭すぎるって」

「おいそろそろ死ねよ。なんで避けれんだよ!雑魚ぉぉぉ!!!!!!お前の顔なんてもう見たくねぇよ!!!!!!」

キャノンフィッシュの斜め上から、謎の黒い物体が飛んでくる。

「…………隕石⁉︎」

なんとそれは隕石だった。かなり巨大な隕石で、ルーが今いる地点からでは、走っても避けきれない!

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

隕石は屋根瓦や、地面の煉瓦をバキバキと崩しながら、ルーへ向かってくる!

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

「ハァハァハァハァハァ………」

ルーの足の裏には、隕石の破片があった。

「………怖……………………………」

立ち上がったルーは再びキャノンフィッシュの前に出る。キャノンフィッシュはやはり激怒した。

「アハマラたらやばや、と半裸と原田さわ、タサやラタさんらもバラハとはやる屋さんラマ様?田さたるお肌?さたらアナアンさたる相場へとはわ!!!!!!!!!!!!な!な!な!なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!もうやだ死ねクソ雑魚獣!!!!!!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!!!!!!」

「………怖いって、あれが空間を操る能力………よくあの蟹逃げられたな……。どうにかして攻撃する時間を確保しないと…」

ルーはまだ気づいていない。キャノンフィッシュの最大の弱点を、ウォクトは気づいた。

「あのビンがキャノンフィッシュのエネルギー源なのだとすれば、あのビンを必死に守るはず。そう瞬間に、ルーが攻撃すれば、なんとかなるんじゃないか?」

ウォクトは屋根の先端に触手を伸ばして登った。ルーがそれに気づいた。

「来ちゃだめウォクト!危険すぎる!」

「大丈夫だ!拙者にいい考えがある。お主は拙者が合図した時に攻撃しろ!それまで待っていろ!!!!!!」

「わかった!!!!!!ってかどんな作戦なの?」

「それは言えない!!!!!!」

ウォクトは触手をキャノンフィッシュの薬物ビンに伸ばした。キャノンフィッシュは視認できないほどのスピードで避ける。

「おい、変な真似すんなよ!そこのタコ!」

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