第27話 死の波
一方ナマジュはルーとフェライクのいる中庭のすぐ横の廊下を走っていた。
「ハァハァハァ……ルーさんは!フェライクさんは!一体どこに…。ウォクトさん……大丈夫なのでしょうか」
彼女は中庭に出てきた。そしてルーがいることに気づいた。
「カンガルー……もしやあの人がルーさん⁉︎」
その時ルーはフェライクに苦戦しており、心身共に疲れていた。
「ルーwww、いつまで耐える気なのwww。俺は支配者になることには変わらないんだし、諦めろ」
「くっ!!!!!!」
フェライクは彼を嘲笑った。そんな最悪の時に、ナマジュはルーに声をかけた。
「ルーさーん?ルーさんですか〜〜〜?」
「⁉︎…もしかしてウォクト⁉︎……そうだyーーー………………??????」
ルーは振り返って元気に挨拶した。しかしそこにいたのはウォクトではなく、気色悪いナマズだった。
「……………………誰????????????????????????」
「あ!申し遅れました!私、ナマジュと申します。ウォクトさんの厄介でございます………読んで字の如くなんですけどね笑………………わかりませんか?いや、あの、その、足手纏いって意味です笑。…………あの、皆さん?」
ルーとフェライクはドン引きしていた。彼女のあの
「………ルー、お前、苦労してんだな」
「か、勘違いしないでよ⁉︎ま、まさかねぇ?」
「?…どういうことでしょうか?」
ナマジュにはわからないようだ。純粋である。性格は完璧なのに、見た目が……な。
「まぁいいんだ!支配の邪魔する奴はどんな者であろうと殺す!いい加減、そろそろ本気を出そう。遊んでいる暇はないからな」
フェライクがそう言った途端、足元からエメラルドが湧いてきた。そう思う間もなく、エメラルドは大量に溢れ出てきて、地面を覆い尽くした。
「⁉︎…エメラルド⁉︎」
「宝石に包まれて死ねるなんて幸せじゃないか?」
ルーはナマジュを抱っこすると、空高くジャンプし、遺跡の外壁に着地した。さっきまでいた中庭はエメラルドの海となった。
「どんなことをしようが死の波からは逃れられない!!!!!!」
ザバァァァァァァァァァァァァンンン
ルーとナマジュの前に、立ちはだかる巨大なエメラルドの大波。包まれれば最期…。かなり広範囲で、避けることは困難…。
「(…⁉︎よ、避けきれない⁉︎……)」
ルーが後ろを向くと、そこには大海原が。前に飛び込んでも後ろに飛び込んでも、負けは確定である。
「どうしましょう!ルーさん!私たち、ここで終わりなのでしょうか!!!!!!」
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァバァぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァん
ナマジュの声をかき消すほどの波の音。音だけなら、本物の海の波と何も変わらない。
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