第26話 最大級同士の戦い
ダイオウイカは触腕を薙ぎ払った。ウォクトは一瞬で天井付近まで飛び、ダイオウイカに向かってナイフを振り下ろす。
「武器持ってきたのか」
「街で買った」
ダイオウイカは漏斗から墨を吹く。ウォクトはナイフをしまって掃除機を出した。そしてそれで墨を吸ったのだ!!!!!!
「何⁉︎掃除機で墨吸えるのか⁉︎」
「戦闘中に余計なこと考えるな。拙者に集中しろ!!!!!!ダイオウイカ!!!!!!」
ダイオウイカは巨大な頭で頭突きした。ウォクトは吸盤でダイオウイカの頭にへばりついた。
「
ダイオウイカは触腕をへばりついたウォクトを叩こうと、振り回す。ウォクトは動き周り、触腕を避け続ける。このまま続けば、ダイオウイカが自滅するだろうが、そこまでアホだとは思えない。
「(今だ!!!!!!」
ウォクトはナイフをダイオウイカの頭に突き刺した。
ブシャァァァァァァァァァァァァァ
「⁉︎……(負けた⁉︎だと⁉︎)」
ダイオウイカはそんな思考をかき消して、床に頭をぶつける。最期の悪あがきのようだ。
ズドォンズドォンズドォンズドォン
「(ぶっ!潰れる!道連れされてたまるか!)」
ウォクトは吸盤を話そうとするが、なぜか離れない。
「は、離れない⁉︎ま、まさか!!!!!!」
「そのまさかだ!気合いでへばりつかせている!!!!!!」
ダイオウイカは謎の才能を開花し、頭を床にぶつけ続ける。このままでは本当にウォクトが潰れてしまう!
「(…どうすればいいんだ!何か…何かできることはないか⁉︎」
「心の声がダダ漏れだぜ?そんなんで我輩に勝てると思うな。デカさだけが取り柄なんだからな!!!!!!そうだ、逝く前に我輩の名前を教えてやる。我輩はスクイックスだ。このイカした名前を覚えなくていいぜ?もうすぐ海の藻屑となるのだから」
「………デカさだけが取り柄……。いや、デカいから筋肉がその分多いんだよ!!!!!!世界最大のタコ舐めんな!!!!!!」
「ああ?マキシマム魂見せてやるよ!!!!!!ミニマム蛸なんかイチコロだわ!!!!!!!!!!!!」
最大級同士の、意地と力の見せ合いである。スクイックスが思いっきり頭を振った。ウォクトは今だ!と叫ぶと、触手が膨張し、スクイックスを持ち上げ、床に叩きつけた。
グズドォォォォォドォォォォォオォォォォォォォオオォォォォォオオオォオァオオォォンンンンン!!!!!!!!!!!!
床にヒビが入り、瓦礫が飛び散った。天井の一部が崩れ落ちた。元々音が反響するので、室内は大音量が鳴り響いた。
ウォクトはまたスクイックスを持ち上げ、床に叩きつける。
グズドォォォォォドォォォォォオォォォォォォォオオォォォォォオオオォオァオオォォンンンンン!!!!!!!!!!!!
今まで戦闘を避けてきた、武器がないと戦えなかった憎しみを、全て触手に注いだ。そして、8本の触手が膨張するたびに速度と威力が増した。
「すまん……許して!悪かった!……おい、離せ!我輩の負けだ!頼む!許してくれ!お前の勝ちだ!!!!!!」
ウォクトはやっと叩きつけるのをやめた。と言っても、最後の最後に壁に向かってスクイックスを放り投げたのだが。スクイックスは壁を破壊しながら転がった。
「………つい興奮してしまった…………………………………………」
「………………つえぇな…。我輩は疲れたからちょっとここで休む。テメェはウルトラジュエル?を探して来い。わかってるぞ、テメェがここに来た理由は。そういや、中庭が騒がしかったな。何かとんでもないことが起こってるかもしれんぞ。行ってこい」
「………そうか、情報、感謝する。………行ってくる」
「おう……………」
ウォクトはナマジュが逃げた方へと走っていった。タコに走るという概念あるのか知らんけど。
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