決戦(ティサ・ユージュ)2


『王闊歩する紫紺色の偏在(レオクラット)』


 それは――

 何もない空間に、うぞうぞと。一本の黒い刃――否、針――槍のようなものが、レイオッドの正面、奴が片腕を伸ばせば触れられる位置に突如出てきたかと思うと――その槍は。

 切っ先をこちらの方へと向けて――


『悪夢の妾(グラナサ)』


「ッ…………!?」

 更に一言、男が唱える。それはたどたどしく、男のこれまで見せてきた剣技に比べれば、なんら脅威を感じ取れないほど、ありふれた、まるで散歩の途中に口笛を吹いてみたかのような、ささやかなものだったが――


「っつうう…………!!」


 そうして放たれる黒き螺旋状の槍は――私の目の前へ、それは一呼吸どころか、瞬きの間さえ許されることのない速度と、それに乗算した破壊力を伴って――


『犬迎(けんげい)』


 槍が。私の鼻先にめがけて直進運動を行い、それは私の頭蓋を今まさに貫く――そのほんのわずかな無数の時間の隙間の中に入り込むように、私は剣を――己の顔面と槍の間に辛うじて挟み込む。

「ぐう……!」

 そして――剣の腹と槍が触れた瞬間。魔礎をまとわせた剣を横から縦へ。剣の身を起こすと同時に、黒い槍の軌道は徐々に、徐々に、かすかにズレていき――

「…………ッ!」

 ガリガリと。刀身を削りながらも、槍は私の頬を皮一枚引き裂きながら、はるか後方へと受け流され――そして、しかし、槍を受け流した衝撃により、私の体は浮いて、そして後方へとたたらを踏み――バランスを崩した私は砂浜を転がる。2メートル――3メートル、そうして転がったところで、

『葉走(はばしり)』

 私は剣で砂をすくいあげ――ほんの一瞬程度の気休めにしかならないだろう、煙幕を張る。魔礎を手首に集中させ――剣のスナップで精緻さと攻撃範囲を両立させる技のひとつ。その応用――

 このまま追撃を受ければ、切り込みに入られたら私の胴と頭は離れてしまう――首をはねられてしまう、そんなイメージが一瞬脳内を残像のように通り抜けていった――……!

 呪言……呪言を遣ったのか!? 危なかった……もし心を読んでいなければ決して反応できなかった――


「---」


 背後では。さきほどレイオッドが放った黒い槍が更に加速して、遥か後方の海へと着水し、そしてボン、という間抜けな爆発音が響いて――その水しぶきがこちらまで飛んで来る。


「なんて、やつだ……」


 剣境第三位 レイオッド・ヴァークレイン。

 奴は――呪言遣いではなく剣士だ。しかし、今の攻撃は――明らかに、扱い慣れていない稚拙な手順で行われた気まぐれのような詠唱だったにも関わらず。

 破壊力、効果範囲、造形、速度、ありとあらゆる要素が――私の知るほとんどの呪言遣いが至れない、高みに至っているもの――

 剣士は……剣士という人種の多くには呪言遣いの適性はない。それは、この世を満たす目に見えぬ魔礎が、それを呪言として形に起こすために、その人間の魔力……強大な魔力の才を必要とするため。

 大きな魔力を持てば、今私が行っているような、細かい魔礎のコントロールによって、本来人間が出しえない身体能力や動き、あるいは剣技を行うことは難しくなるわけで――剣士……武器遣いと呪言遣いの関係性は逆接的な傾向にある。

 が、この男――レイオッドはそれを、剣の境に至るほどの力を持っていても、なんの制約もなく両立している――あらためて、化け物じみた――こいつ、は……

「剣境の中には……剣をまったく扱えない、ただの呪言遣いの方もいるんですよ。まあ、僕は剣士として剣境を拝命しましたが……しかし呪言はやっぱり難しいですね。方向威力の調節が特に上手くいかない。それに、ちょっと疲れるし……」

「…………」

 私の驚きを知ってか知らずか――また、人の心を覗き見るように言葉を続ける男。

「しかし、今のも避けられましたか……では、こんなのはどうです?」

「…………!」

『あるまじき三つの点(ガイエルタ・ワーベンレント)』


――また、ささやくようにレイオッドが呟いた直後――今度はレイオッドの背後から――砂の粒が集まったような――それが、かぎ爪のような形をとったものが私の方を――曲がりくねった軌道を描きながら近づいてくる。

 そして――


「三手……そして僕の一手で四手ということでお願いします」

「くっ……!」

 心を――読め、読み切れ……心の呪い、心眼を限りなく先鋭化させ、集中することでしか、こいつの攻撃はもはや、避けることは叶わない――

 そして、あまりに心を読もうとしすぎれば。どこからかやってくる、いつも私の傍にいるライコに己の体を受け渡すこと、そのリスクが格段にあがるが――もはや、それを意識するほどの余裕は残されていない、それはひたすらに自明の理だった。


『来絶(らいぜつ)』


 一手目――レイオッドが生み出し使役している呪言、『あるまじき三つの点(ガイエルタ・ワーベンレント)』のかぎ爪を、私は剣を斜めにして、そして剣とかぎ爪が接触した瞬間――剣を大きく回すように旋回し、かぎ爪を巻き取るように、それを地面の方向へ受け流し回避する。

 来絶(らいぜつ)は、近距離において、相手の攻撃に対し、次の手――カウンターとしてこちらの動きを止めない身のこなしと剣先の遊び――それを統合した型のひとつ。


「素晴らしい。動きに無駄がありませんね」

「―――!」


 その合間を縫って、レイオッドが攻撃を仕掛けてくる。奴のレイピアがまるで子供が蟻の巣をつつくようにこちらの胴体に穴をあけようとしてくるのを、私はすんでのところで、心を――表層を読むことで回避、回避、回避する――


『転螺(てんら)』「う、…………!」

 

そして二の手三の手が同時にやってくる。かぎ爪の挟み撃ちを私は、己の剣を地面に突き立てて、そして、柄の上に足をかけ――大きく跳躍することで回避する。そしてしかし、剣と私は離れていない――飛び上がる際に、持ち手に引っかけていた一本――極小の糸に引かれて、時間差で私の剣も中空に飛び上がり――

「……器用な真似をしますねえ」

「死ね……第三位!」

 飛び上がった私はそのまま、レイオッドの頭部に兜割りを叩き込むべく、一刀両断の一撃を――


「ッッツ……⁉」

「空中でなら斬れると思いましたが――そういうわけでもないようだ」


 私は――身をよじって辛うじて、本当に辛うじて、レイオッドの突きを――かわし切る。今のは、――細い刀身が、私の視線と重なるように構えられていたせいで、奴の剣が見えにくかったのもあるが……今のは光の屈折のような――

「ああ……今のも呪言です。『続きうる平定(ウェラレス)』というんですが……本来は目くらましに使うような呪言なんですが、保護色みたいに、剣の刃を隠すような遣い方も出来るんです。比較的扱いやすいほうですね。呪言の中では」

(…………この男……!)

 私に気づかれないように呪言を遣っていたのか。短い呪言だから詠唱している瞬間を確認できなかった……あるいは、呪言をあらかじめ置いておく、『先了詠唱』という技術もあるらしいが――

「……!!」


 ――消失したかぎ爪の呪言が、地面にぼたりと落ち崩れ、元の砂に還っていくと同時に、レイオッドの猛撃――もっとも、この男の表情は、最初に出会った時と変わらず、偽物じみた、仮面じみた、体温というものを感じさせない冷えた微笑のままだったが――そんな男の剣技を私は、読み、読み、読み続けるしかない。

 心の呪い。

 相手の心を読み、感じ取る力。

 代償として、私は己の自我を捧げる。この力を遣えば遣うほど、私の終焉は近づいていく。そしていずれは……どこかからやってくるライコに私は浸食され、私という存在は消え失せる。

 それでもかまわない。

 それでも何の問題もない。ただ、目の前のこの男を倒せるなら――私はこの力を、忌み嫌われる呪いを、利用してやろう。

 そう、覚悟を決めたじゃないか。


「―――!」


 剣と剣が交錯する。鍔迫り合い、剣閃、きらめく火花、十回、二十回……断続的な金属音、そんな刹那の打ち合いが私には無限の時間に引き延ばされて感じるほど、ほんの一呼吸隙間を入れればたやすく切り伏せられるだろう、そんな交差の応酬がどこまでもどこまでも、続いていくような出口のない迷路を歩いているような感覚――

「――」

 が。

 だが――ほんの一瞬対等に見えたとしても、実際はそんなことはない。遥か、剣技において遥か下方に私がいるということを嫌というほど思い知らされていく。膂力ではない、あくまで技だ。

 レイオッドの動きはおよそ絵画に閉じ込められたように芸術的で、それは究極の基本形。ゆえに、そこに穴はない。あらゆる剣技、あらゆる流派がこの世に無数に存在しようとも、最適化された剣技は、この男が――あるいは歴史が選択し、残されてきた技術の集積は、少なくとも今この場で弱点――なんらかの穴を見つけられるようなものではない。

 そんなことは、我流を主と置く一介無名の剣士の私でさえ、簡単にわかってしまう事――

「…………」

 しかし。

 だが――それは、他に武器がない場合の話。

 確かに、純粋な剣と剣だけの戦ならば、私はこの男と千回戦って千回勝てないだろう。しかし私には、復讐の旅で培ってきた武器……まだそれを使いこなしてはいない。手札を切ってはいない。

 この男が先程呪言を扱ったように。私はまだ呪いを扱いきってはいないのだから――

「……疲れてきましたか? このままではあと十六回の剣戟であなたは詰みますが――」

「…………」

 そう言いながら三度剣が交差して。あと十三回で私はレイオッドに切り伏せられる――まるで『ロウギ』のように、この段階に至って私も、これから通常の剣での斬り合いでは、レイオッドの言うように詰まされてしまう――その真実に気が付き。

 ――しかし。

 絶望するでもなく決意をした。

 ここが遣いどころであると。

「そうだね……じゃあ、始めようか」

「始める……?」

 首を傾げたレイオッドの瞳を私は覗き込むように――今一度。これまで心の表層を読んでいた意識を、さらに奥へ、奥へ――精神の海に潜るために。

 呪いを深化し、加速させるイメージで――私は、私は――








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「…………が、⁉」

「…………!」

 そうして、レイオッドの剣が私の左肩を……撫でるように切ったのは直後のことだった。私……私は……今、確か……

「…………うん?」

「…………」

 だくだくと血が流れ出る。まるでどこかの海の色の対局にあるかのような、赤い、赤い、この男の目のような色をした私の血が……ぽたりと服をつたって、地面に落ちて、それも、砂浜にしみこんで消えていく……

 レイオッドはなぜか追撃に転じない。決定打ではないが、決して浅くはない程度に私の肌を切った……そのレイピアをまじまじと見つめ、そしてまるで棒立ちのように、こちらを静観しているように視線を向けて。

「今…………、」

 そして私は。レイオッドの挙動よりも、それよりも、今私が見たモノに対して理解が及ばず、ただその場で憮然とするしかない。

 今……

 私は確かに……。心の呪いで……こいつの心の深層を、覗きみるべく、たった今――

「もしかして――僕に何かしました? いや……」

「…………」

「もしかしてライカさん、あなた、人の精神……僕の考えていることが分かるとか……読心のような真似が出来るんですか?

「…………!」

 また、この男は……

「だとしたら、今の違和感も……うーん、まるで心臓を洗っていない手で触られたような感じがしたので……」

「…………」

「だとしたら……それって呪言とか、あなたが培ってきた技術とかの類ではないですよね。呪言よりも超常的な力だ……もしかして……『呪い』とかだったり、するんでしょうか」

「…………」

 私は何も言わない。なのに、レイオッドはまるで絵が描かれていないジグソーパズルを解くように、最適解へと寄り道すらせず、私の全てを看破するかのように思考を張り巡らせていく。

「…………」

 一方の私はまだ体が動かない。たった今しがたみたこの男の内心――いや違う、見たんじゃない、見えなかったんだ。この男の心……その深層が……

 見えない、ということはつまり。

「しかし……呪い……呪いですか。なるほど、面白いな……そういえば、僕の家は熱心なレサニア教徒の家だったんですよ。僕は神を信じてませんが……呪いには宗教に関わる物が有効でしたよね確か……あ、でも、そんな持ち合わせはないから安心してください」

「…………」

 あっても使いませんけど、と。

 一人ごちるように納得して、もはやレイオッドには笑顔が戻っている。対比して、私からはきっと、今の私からは表情は消え失せている……いや、あるいは青ざめてしまっているのかもしれないが……

「…………」

 レイオッド。

 レイオッド・ヴァークレイン……この男の心、その深層は……


 なかったのだ。

 何も――何一つも。

 悪意も善意も、喜びも悲しみも。

 苦しみも快楽も。


 この男には心のようなものがないのか――いや、そんなはずは……しかし今の暗闇は……こんなことがありうるのか……心が読めない。私は、そんな人間を見たことが、ない。


「…………」


 心において。表層と深層はまったく概念が違う。

 表層はあくまでも直前直後の動作など、目の前の行動にかかわる部分だったり、あるいは言葉に出す、出そうとしている単語の羅列だったり……とにかく、その人間の意識の上澄みにもっとも近いところ。

 対して深層は……その人間の本質。記憶や自我の成り立ちに関わるような、普段は表に見えてこない。あるいはどうあっても出てくることはない、心の奥底、もっとも隠された部分である。

 どんな人間にも、それはある。なければそれはもはや人ではなく――それがなぜ、この男には――

「……!」

 そう考えた――表層で考えた私を正気に引き戻すように一歩、足音をさせながらレイオッドが近づいてくる。

 それは本当に人懐っこい笑顔で、

「ライカさんは魔女さまを知っていますか?」


 と、男はゆるりと剣を揺らし――





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