51回目の告白

うな丼

51回目の告白

僕はこの思いを何度でも君に伝える。

「付き合ってください」

「無理です」

だが諦めん

「リバース」

 



 自分の体感では3時間実際は5分前のことだ。

おっさんに「勝ったらいいもんをやる」と言われオセロをした。おっさんは恐ろしい程弱かったので勝利、なんと過去に戻る能力を手に入れた。

「リバース」と言えば自分が居た過去に戻りやり直すことが出来る。

そしてこの能力を使いやることはひとつ、クラスのマドンナさくらちゃんに告白する。

透明感のある肌、艶のある黒くて長い髪。

全てが美しく初見で惚れてしまった。

今まで100人が振られたらしいが僕は違う、ありきたりな言葉なんか使わない。

彼女は教室でよく読書している。

一生忘れないような言葉をさくらちゃんに送る。

失敗してもやり直せるなら成功するまでやるまでだ。

下校中のさくらちゃんに追いついて告白して振られること46回。

まだ諦めない。

キメ顔を作り片膝を地面につけ

「さくらちゃん僕と結婚を前提として付き合って下さい」

「あのさー巻き戻してる?」

「?」


 同様で顔が歪むまさかさくらちゃんも能力をそんなこと、、あるかもしれない。

そうだ、こんな簡単に手に入ったんだ、町中が能力者でもおかしくない。

だとしたら戦闘は避けたい。

とりあえず冷静にかっこよく

「君はどう思う?」

「はっ?いや、あのね、すごいデジャブを感じてるの、あなたからもう10回は告白されてる。正直言うとね高橋君タイプじゃないけどよく話しかけてくれるじゃん、だから友達でいよ。」

「かわいい」

「知ってる」

真顔で答えられた。あと能力者ではないみたいだ。良かった。

「でさー、何回告ってるの?」

「え?47回だよ」

「47回!?すごいね、何過去に戻る能力?」

「すごいね正解、こりゃ驚いた」

「「正解」じゃねーよ」

 普通に殴られた。

「47回告られて私はオーケーした?」

「全く毎回すぐに「ごめんなさい」って帰ってくる」

「それでも諦めないのね」

「もちろん」

イメージと違ったがこれはこれでいい。ますます好きになった。

「とはいえ流石に諦めよ。慣れてきて記憶継承してるし」

「まってあと50個告白文用意してるの」

「多いよ」

「もうリバース」




「は封印するから」

「しっかり使ってんのよ。判定シビアねそれ。」

完全に記憶は保持されるらしい。

これはチャンスだこのまま押し切る。

「僕を選んで後悔なんてさせない付き合ってください」

「無理、一回話を聞いてよ」

「ダメかー」

「どんなに告白されても返事は決まってるの無理」

 スマホのライトを5回照らす。

「あ・い・し・て・るじゃねーよ喋れや、あとむーーーり。」

理想のヒロインなみの可愛さと、番長が出入りしている。

「3000回愛してる」

「え?」

「この大胸筋で君をつつむよ」

「まって今なんて言った?」

「え?この大胸筋で君を守るよ」

「それなわけないでしょ、なんか間違えてるし気持ち悪い。その前」

「3000回愛してる」

「それよ、アイ○ンマンのセリフ」

「あーそうだよ好きなんだアイアン○ン」

「あのね私も好きなんだ」

「ほんとに?」

「ほんとよ、ディ○ニープラスのドラマもちゃんと追ってる」

やばい趣味も合うなんて運命しかない

「すごいね運命としか思えない」

笑顔になりかけた顔が真顔に戻ってしまった。

「あーうん、実はね今から映画見に行くのブラッ○パンサー」

最高だ今しかない。

「実はまだなんだ、、良ければ一緒に見ない?」

「告白辞めてくれるならいいよ」

「今だけでもいい?」

「しょうがない、いいよ」

 歩き出した彼女の背中を追いかけ横に並ぶ。こんな偶然が起こるなんて、諦めなくて良かった!


映画の話をしていると思い出したように彼女が聞いてきた。

「そういえばどうやってその能力手に入れたの?」

「えっとねなんかおじさんに買ったら貰えた。

「なにそれあやしい、何の勝負?」

「まさかオセロだよ」

「オセロ?、、あーリバーシのこと?」

「え?リバース?」

 


 目の前にあるのはおっさんとオセロ。

 最悪だ、この能力は未来に行けない、でもさくらちゃんを落とす告白文はわかった。

「おじさん、僕の負けだ能力はいらない」

 おじさんはニヤっと笑い

「そうかい、幸せになれよ」

「ありがとう」

 僕はすぐに走り出す

「まってさくらちゃん」

「え?高橋君?どうしたの?」

 息を整えながら片膝をついて最大限のキメ顔で

「3000回愛してる?」

「あ?」

 聞こえた声は今まで聞いたことのないくらいドスが効いていた。

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