お願い、流れ星

藤間伊織

第1話

今日は10年に一度のある流星群が見られる日。


「さあ、坊や。そろそろ寝ましょう」

「ねえ、お母さん。流れ星にお願いをすると叶うって本当?」

「ええ、そうね。流れ星には不思議な力があるのよ」

「ふーん。でもそれ嘘だよ」

「あら、嘘じゃないわよ。坊やのお願いだって、いい子にしていればきっと叶うわ」

母親は窓際で空を眺める息子をベッドに連れていった。


「さあ、いい子はもう寝る時間よ。おやすみなさい。私の可愛い坊や」

「ねえ、お母さん。流れ星がお願いを叶えてくれるなんて嘘だよ!」

「あら、まだ言っているの?そんなことないわよ。坊やがいい子にして、頑張れば、流れ星は力を貸してくれるわ。どうしてそんなに否定するの?」

母親は息子の頭を優しくなでながら聞いた。





「だって、さっきからずっと『流れ星がこっちに降ってきて、全部壊してくれますように』ってお願いしてるのに、ちっとも来ないんだもん!」


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お願い、流れ星 藤間伊織 @idks

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