短編



「あ、雨上がった」



窓の外を見て、彼が言う。



「俺、そろそろ行きますね」



え、もう?とも思ったけれど、私なんかが引き止める義理もなかった。



「今度、良かったらオススメの本とか教え合いませんか?」



すると、彼の方からそう切り出された言葉。



「ぜひぜひ!」



思いのほか初めて話した相手と話が盛り上がって、凄く楽しかった瞬間だった。



「あ、でも迷惑でなければで大丈夫なんですけど」



変なところで引き下がる彼に、笑ってしまった。



「全然、迷惑なんかじゃないですよ」



そう言うと、「良かった」と、ホッと胸を撫で下ろした様子だった。





帰り際に彼が発した言葉で、さらに胸が高鳴る。


「良かったら番号交換して貰っても良いですか?」



 君に恋する雨上がり。


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雨の日のカフェで君に恋をする 藤井 @koiai

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