最終話 コウドウ【ASMR】/梨穂子の顔が目の前に……

○茶道部部室・部室前(夜)

   SE 部室のドアを開ける音。


梨穂子

「すっかり真っ暗になっちゃったね。他の部活も、帰っちゃったみたい。」

「グラウンド、もう誰もいないや」


   SE 扉の鍵を閉める音。

   SE 風の吹く音。


梨穂子

「は~……外はやっぱり寒いね~。」

「私たちも早く帰ろ。」

「いつまでも残ってると、先生に怒られちゃうかも」


   #主人公と梨穂子、並んで帰り道を歩いていく。

   SE 二人の歩く音。


梨穂子

「さっきまで入ってたおこたが恋しい……。」

「お家帰ったらココア飲も~っと。」

「《そんなの飲んだら、せっかくのダイエットが無駄になる》?」


「だ、大丈夫! ココア、なるべく苦く作るから!」

「え? そういう問題じゃない?」

「甘くなければ、太らないんじゃないの?」


「む~、ダイエットって難しいなぁ……。」

「あんなに腹筋したのに、それだけじゃダメなのかぁ。」


   #梨穂子、お腹を擦る。


梨穂子

「う~、お腹の筋肉がまだピリピリしてる気がする……。」

「ひとりで無理しすぎちゃったかも。」

「えへへ……本当は、また手伝ってほしかったんだけどね。」


「なんだか照れくさくって……。」

「《ポロツキーゲームだってした仲なんだから、今更恥ずかしがるな》って……。」

「そ、それとこれとは話が別だよ~!」


「あのときは、ちょっとふざけてみただけで……。」

「本気でポロツキーゲームしたかったわけじゃ……!」

「……あ~! なに? その『分かってますよ~』って顔~!」


「私はそういうことできないって、よ~く知ってる?」


   #梨穂子、少しムキになった様子で。


「ふ~ん……そういうこと言っちゃうんだ。」

「じゃあ、今からもう一度、ポロツキーゲームしてみようよ!」

「どうせできないくせに? それはやってみなくちゃわからないでしょ~!」

「ほら、顔こっち向けて!」


「……ちゃんとこっち見て。」

「目を逸らしちゃ、ダメだよ?」


   #梨穂子、主人公の頬に両手を添えて、キスをする。

   #梨穂子の意外な行動に驚き、思わず後ずさりしそうになる主人公。


梨穂子「ダメっ……」


   #それを逃さないように、しっかりキスをする梨穂子。


梨穂子

「(唇を離して)……どう?」

「今度はちゃんと、本気でしてみたよ」


   #梨穂子、顔を真っ赤にしつつもニッコリと笑う。


梨穂子

「えへへ……驚いてくれた?」

「あなたのこと、やっとびっくりさせられたかも」


   #梨穂子、気恥ずかしさと嬉しさに耐えきれなくなり、主人公の腕に抱きつく。


梨穂子

「私だって、これくらいはできるんだから。」

「ちゃんと覚えててね♪」



《おしまい》


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『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.1 桜井梨穂子編』(CV・新谷良子)

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【台本】ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.1 桜井梨穂子編 監修・高山箕犀、鈴木悠太(シナリオ工房・月光)/ミミクル @mimicle_official

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