第9話 ホウコク/梨穂子から伝えられた結果は……
○茶道部部室・玄関(昼)
梨穂子M
「しばらく経った、ある日の放課後。」
「私はまた、彼に部室へ来てもらった。」
「その理由はもちろん――」
#再び梨穂子に呼び出された主人公、茶道部部室へとやってくる。
SE 扉を開ける音。
#梨穂子、すぐに玄関から出てくる。
梨穂子
「待ってたよ~!」
「ほら、早く早く! 中入って!」
#梨穂子、主人公の手を引っ張り、部室内に招き入れる。
#小走りで居間へと向かう二人。
○茶道部部室・居間(昼)
#梨穂子と主人公、こたつに入っている。
梨穂子
「えっと、まずはお礼を言わなきゃだね。」
「かくし芸テスト、あなたのおかげで無事に合格できたよ。」
「ありがとうございました!」
「は~……テストの日は本当に緊張したね~。」
「先輩たち、ずっと悪そうな笑顔でニヤニヤしてたし……。」
「あの顔見たときは、すっごく不安になっちゃって……。」
「けど、私たちの二人羽織見たら、すぐにびっくりした顔になってたね。」
「最後には《こんなの見せられたら、もうお腹いっぱいだよ!》って降参してさ♪」
「えへへ……やっぱりあなたに相談して正解だった」
梨穂子
「でも、先輩たちはなんでお腹いっぱいなんて言ったんだろ?」
「なんだか顔が真っ赤で、汗もかいてたみたいだし……。」
「先輩たち、あったかい物なんて食べてなかったよね?」
「……そう感じるくらい、私たちの二人羽織が上手だったってことかも?」
「うんうん! 私もそんな気がする!」
「えっと……ところでさ……あなたもそろそろ気になってきたんじゃない……?」
「何がって、それは……その……今日呼び出した理由っていうか……。」
「《エゾバフンウニ味だろ》? もー! わかってるならイジワルしないで答えてよ~。」
「私、あなたが来るまで食べるの我慢してて、もう限界だったんだから~!」
「それじゃ、すぐ持ってくるね!」
#梨穂子、ドタバタと小走りで台所に行き、すぐ戻ってくる。
梨穂子
「じゃん! これだよこれ! ポロツキー・エゾバフンウニ味!」
「箱からしてスゴイよね! 金色でピッカピカだよ!」
「あー、ついに食べられるんだ……! 楽しみすぎるよ~!」
「こうしてあなたと一緒に食べられるのも、すっごく嬉しい……!」
「え? 《どうせなら、またポロツキーゲームする》かって……?」
「そ、それはダメー! これは絶対に味わって食べなきゃなんだから!」
「とにかく、まずは食べてみようよ!」
《第10話へ続く》
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『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.1 桜井梨穂子編』(CV・新谷良子)
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