第10話 アジワイ【ASMR】/美味しそうに食べる梨穂子はかわいいなあ

○茶道部部室・居間(昼)

   #梨穂子、エゾバフンウニ味の箱を開けて中の袋を取り出し破く。

   SE 箱を開ける音。続いて袋を破く音。

   #部屋中にウニの匂いが一気に広がる。


梨穂子

「わぁ~! すごいすごい! 本当にウニの匂いがする!」

「アレ? 急に咳き込んでどうしたの?」

「もうすっかり冬なんだし、風邪には気をつけないとだよ?」


「違う? ウニの匂いにむせた……?」

「あ~、びっくりしちゃったんだ。確かに、すごい再現度だもんね!」


   #梨穂子、袋からエゾバフンウニ味のポロツキーを取り出し、一つを主人公に手渡す。


梨穂子

「わぁ、オレンジ色だ! ちゃんとウニっぽい色なんだね~。」

「それじゃ、はい、どうぞ!」

「まずは手伝ってくれたあなたから食べてみて♪」


「え?《 最初の一本は私が食べるべき?》」

「そ、そうかな……? あなたがそこまで言うなら……」


   #梨穂子、自分の分のポロツキーを取り出し、嬉しそうな声を上げる。


梨穂子

「はぁ~……いよいよこの時が来たんだね……!」

「一気に全部食べちゃいたいところだけど、そこは我慢して……」

「まずはチョコペーストから食べてみるね。」


「えへへ、ちょっとお行儀悪いけど、味が気になっちゃって。」

「それじゃ、いただきま~す♪」


   #梨穂子、ポロツキーのチョコ部分だけ先に食べる。


梨穂子

「はむはむ……」


   #梨穂子、そのまま芯の部分も食べ進めていく。


梨穂子

「あむ……あむ……。」

「んー! すごい! ウニだっ!」


   #梨穂子、興奮して前のめりになり、主人公の顔に顔を近づけて説明する。


梨穂子

「芯にもウニの身が練り込まれてるんだね!」

「どこ食べてもウニの味がする! ポロツキーじゃないみたい!」

「これは食べてみなきゃわからなかった~!」


「ほらほら、あなたも早く食べてみて!」

「これはちょっと感動しちゃうかもだよ!」


梨穂子

「……ん? なんだか変な顔して、どうしたの……?」

「私の息、ウニの匂いがすごい……?」


   #梨穂子、顔を真赤にして驚く。


梨穂子

「えーっ!? ほんとに!?」

「わわ、どうしよう……そうだ! お茶お茶!」


   #梨穂子、お茶を急いで飲み干す。


梨穂子

「ふ~……これなら大丈夫かな……?」

「ちょ、ちょっと確かめてみていい……?」


   #梨穂子、主人公にはーっと息を吹きかける。


梨穂子

「はーっ……ど、どうかな……?」

「……まだぜんぜんウニの臭い!?」

「わーん! どうしたらいいかな~!?」


「え……また驚いた顔して、どうしたの……?」

「私の髪までウニみたいになってきてる!?」

「な、なにそれ!? どういうこと~!?」


   #梨穂子、慌ててカバンから鏡を取り出す。

   SE カバンをガサガサと探る音。


梨穂子

「鏡……鏡……あった!」

「ウニみたいになったってどの辺!? 頭の上の方!?」

「……あれ? 別にいつもどおりだよ……?」


「《私の髪の色をよく見ろ》……?」

「確かに少しウニっぽい色だけど……。」


   #梨穂子、主人公の冗談に気づく。


梨穂子

「あーっ! 冗談だったんだね!」

「もー、そんなに笑わないでよ。本当にびっくりしたんだってば~。」

「地毛なんだから、そんな冗談言われてもすぐに気づかないよ~。」


「あなただって、小さいころからずっと見てきて知ってるくせに~!」

「ほら~、よく見てよね~! ほらほら~!」


   #梨穂子、頭を主人公の顔に近づける。

   #思わず後ずさる主人公。


梨穂子

「ふふふ、すきあり~!」


   #梨穂子、そのスキに、主人公の持っていたポロツキーをパクッと咥える。


梨穂子

「ふっふっふ、はらはったはふはよ~!(ふっふっふ、からかった罰だよ~!)」


   #梨穂子、そのまま一気にポロツキーを食べる。

   

梨穂子

「はむはむ……むぐ……もぐもぐ……!」

「は~、やっぱりエゾバフンウニ味、おいし~!」



《第11話へ続く》


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『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.1 桜井梨穂子編』(CV・新谷良子)

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