第8話 ハイボク/梨穂子は食べ物にはいつだって真剣なんだ

○茶道部部室・居間(夜)

   #梨穂子、慌ててドタバタと主人公から離れると、恥ずかしそうに顔を伏せて、


梨穂子

「あうう~……こんなことになるなんて……。」

「先に口を離したから私の負け……? か、勝ち負けとかどうでもいいよ~。」

「それより、あなたはなんともないの……?」


「い……いきなり、ポ、ポロツキーゲームとかしちゃってさ……。」

「《むしろ、もっとどんと来てほしかった》って、なに言ってるの~!」


   #梨穂子、ようやく落ちついてくる。


梨穂子

「は~……やっとドキドキが収まってきた……。」

「このまま爆発しなくてよかったよ~……。」

「……落ちついてきたら、なんだかポロツキーが恋しくなってきちゃったかも。」


「あーっ! 、そんなに呆れた顔しないでよ~!」

「だって、最後のポロツキーだったし……もう少し味わって食べたかったなって。」

「《エゾバフンウニ味を買ってもらえたら、全部一人で味わえばいい》って?」


「それはダメ~。あなたと食べたいって言ったでしょ?」

「美味しいものは二人で一緒に食べたいんだもん。だって、そのほうがきっと楽しいよ。」

「……そうだよ。絶対に、一緒に食べるんだから……!」


「よーし! なんだかまた燃えてきた!」

「ねぇ、もうちょっとだけ二人羽織の練習しよう!」

「《今からだと遅くなっちゃうかも?》 そうかもだけど、お願い! もう一回だけ!」


「付き合ってくれる? えへへ、ありがと♪」

「へ? 《食べ物に本気の梨穂子もかわいいなあ!》……?」

「も~、それだけじゃないんだから! ほらほら、練習始めよ~!」



《第9話へ続く》


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