第6話 ゴホウビ/頑張った梨穂子とお菓子を食べよう

○茶道部部室・居間(夜)

   #梨穂子、運動で疲れて朦朧とし、主人公をぬいぐるみのしゅないだーと勘違いしてもたれかかる。


梨穂子

「つ、つかれた~……しゅないだー、ちょっとだけ抱きつかせて~……。」

「あれぇ……今日はなんだかいつもよりおっきいねぇ……。」

「それに、あったかいし……ふわふわじゃなくて妙にがっしり……」


「……ん? あれ? 私、なにして……」


   #梨穂子、自分が主人公に抱きついている事に気づき、慌てて離れる。


梨穂子

「……わ、わぁ! ご、ごめんね!」

「疲れすぎて、なんだかぼーっとしちゃって……!」

「ワニのしゅないだーと勘違いして、ついもたれかかっちゃった……。」


「えっと……その……。」

「も、もうこんなことがないように、次は一人でがんばってみるね!」

「《これくらいなら、いくらでも手伝う》って、それはありがたいんだけど……。」


「私だけでできるようにならないと、ダイエットも続けられないと思うの!」

「ん……? どうしたの? そんなにニコニコして……。」

「《何かに本気の梨穂子はかわいいなあ》って…。」


「もう、またそういうこと言って~……。」

「え?《 ちゃんと運動したご褒美に、お菓子食べないか?》」

「うん! 食べよう食べよう! 私、ちょうどポロツキー持ってるんだ。」


「またポロツキー……って、そんなに微妙な顔しないでよ~。」

「エゾバフンウニ味は確かに楽しみだけど、普通のポロツキーは別腹なの♪」


   #梨穂子、取り出したポロツキーを一本口に咥える。


梨穂子

「は、ほうだ! ほひゃひれへふるへー(あ、そうだ! お茶入れてくるねー)」


   #梨穂子、小走りで居間を出ていく。

   #しばらく時間経過。


梨穂子

「はー……お茶とポロツキーってなんでこんなに合うんだろ。」

「この組み合わせだと、どんどん食べたくなっちゃうんだよね~。」


   SE ポロツキーの袋を探る音(ガサガサ的な)


梨穂子

「……あれ? ポロツキー、もう最後の一本だ……。」

「え? いらないの? 《もともと私のなんだから食べればいい?》」

「うーん……それもなんだか悪いな~……。」


「やっぱり、最後の一本はあなたが食べてよ。さっき腹筋も手伝ってくれたし。」

「《ほんとは食べたいんだろ》? そ、そんなことないよ~。」

「そっちこそ、こういうときにポロツキーを味わうべきだよ!」


「私はいつも食べてるし、これくらい我慢できるから。」

「《我慢するくらいなら食べていい》って、そういうことじゃなくて~!」

「むー……ずっとこんなことしてたら、ポロツキーのチョコが溶けちゃうよ……。」


「それならいっそ、二人で食べる? あっ、それなら……!」


   #梨穂子、こたつに潜り込む。

   SE こたつ布団が動く音(ゴソゴソ的な?)

   #梨穂子、主人公の入っているこたつの辺からにゅっと出てきて、主人公の横に座る。


梨穂子

「よいしょっと。これで距離はばっちり。」

「あとはポロツキーを咥えて……はむっ」


   #梨穂子、最後のポロツキーを咥え、主人公の目前に差し出す。


梨穂子

「ふぁい。ほれはら、ふはりへはへらへるほ♪」

「(はい、これなら二人で食べられるよ♪)」



《第7話へ続く》


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