第5話 フッキン【ASMR】/ダイエットには筋トレだ

○茶道部部室・居間(夜)


   #梨穂子、仰向けに寝転がって主人公に足を押さえてもらう。


梨穂子

「ねぇ、ちゃんと足押さえててね?」

「それと、またイタズラしたら怒るから!」

「《そんなことしないから安心しろ》って……本当かな~……。」


「じゃあ、はじめるね……。」

「ふぬーっ……! ふぬぬーっ!」

「……あ、あれ~? ぜんぜんできない……。」


「くーっ! ううーっ!」

「な……なんで起き上がれないの……!?」

「もうちょっとできると思ってたのにー!」


「そ、そんな悲しい顔しないで! すぐにできるようになるからー!」

「え?《 背中の下に重ねた座布団を敷いてみろ》って……」


梨穂子

「よいしょっと……こんな感じ? これで腹筋するの?」


梨穂子

「ふぬーっ……! わっ、起き上がれた!」

「ありがと~! これならちゃんと運動できるよ~♪」

「《まずは10回を目標にしよう》? それくらいでいいの?」


「そうだね、あんまり最初から無理するのはよくないもんね。」

「よし……それじゃ、やってみるね!」


   #梨穂子、腹筋運動を本格的にスタートさせる。

   #回数カウントを言い終わるタイミングで上体を起こし、梨穂子の顔が耳に近づいてくるイメージです。


梨穂子

「いー……っかい! にー……かい! ……さーん……っかい!」

「ふぅー……お腹の筋肉がどんどん出来てる気がする!」

「よーん……かい! ごー……っかい! ろー……っかい!」


   #梨穂子、次第に腹筋ができなくなってくる。


梨穂子

「な、なーな……かい……!」

「ん~っ……はっち……かいっ……!」

「け……けっこう……しんどくなってきたかも……。」


「だいぶ息が荒いって……そりゃそうだよ~……。」

「あなたも、私の息がかかってイヤじゃ……」


   #梨穂子、主人公に荒い息がかかっていることに気づいて恥ずかしくなってくる。


梨穂子

「あ……えーっと……そのー……」

「ちょっと足の押さえ方、変えてみてもいい?」

「もう少し、身体を離してくれないかなー……。」


「それじゃしっかり押さえられないって……それはそうなんだけど……。」

「《あまり休んでないで腹筋続けろ》?」

「わ、わかってるよ~……。」


   #梨穂子、小声で。


梨穂子

「顔が近づくのが恥ずかしいなんて、言えるわけないよ~……。」


   #梨穂子、誤魔化すように少し大きな声で。


梨穂子

「も~! 人の気も知らないで~!」


   #梨穂子、再び腹筋を始める。

   #しかし、主人公のことを意識したせいで余計に疲れてしまう。


梨穂子

「ん~っしょ……! きゅーかい!」

「ん~~~っ……じゅーっかい!」


   #梨穂子、最後の力を振り絞って身体を起こす。

   #その勢いのまま主人公にもたれかかり、抱きついてしまう。


梨穂子

「は~っ、終わった~……!」

「……ねぇ、最後までできたよ……。」

「ちゃんと……ほめてね……?」



《第6話へ続く》


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『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.1 桜井梨穂子編』(CV・新谷良子)

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