　気がついてはいた。

　Mの書く物語は地の文と言われるものが少ない。

　物語を書こうとしたとき、会話だけを連ねていた。シナリオと言えば聞こえがいい。

　それ、言ってる人、どんな顔してる？　どこにいるの？　どんな服を着てる？　

　頭の中に見えた情景を記す。それがMの地の文だ。今も、きわめて少ない地の文。

　そして、地の文が多い物語を読むのも苦手だ。

　小さい字がダメになり本から、しばらく離れていた。しかし、ネットの字は大きい。昔の文庫本の字にくらべたら、どんだけー。（昔の文庫本の字は、本当に読みづらい）

　いちばん、まっとうな読書をしていたのは、小学生から高校生の頃だ。あのころは小さい字も、なんのそのだから。

　小学生高学年で、日本文学全集にあった『眠れる美女』を読んだが、（なにしてんねん、このおっさん）という感想しか持てなかった。ピュアだった。

　そして昔から、読めない分野はホラーだった。

　ところが最近、このサイトで、〈いちばん怖いのは人間〉的なホラーに出会ったとき、（読める……、読めるぞ）となった。

　ホラーって情景描写、必須。会話文だけのホラーって、基本ないだろう。

　ホラーを読んでMの地の文は若干、長くなってきた。

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