18話  お話の勝手口 『遺されし者のバラッド』

 Mはタイトルが浮かんで、話を書きはじめることが多い。

 とある芸能の方が亡くなった時に浮かんだのが、このタイトル(現在非公開)だった。


 Mの『バラッド』のイメージは。

 吟遊の詩人が語り聞かせる。

 英雄の武勇伝や美姫との悲恋。



 ある日、ネットの漫画広告をポチして、うっかり読んでしまったら、それが〈TL〉というジャンルで。

「なんぞ?」と思ったら、〈てぃーんずらぶ〉の頭文字。


 最初のページから無理強いの♡シーン発動。

 それを無料範囲で読めるだけ読んだMも、なんですが。


 そこから学んだのは♡シーンからはじめると、何ページかは読んでもらえるということ。

 漫画の場合は、よほど絵のタイプが受け付けない以外は、読める。(当社比)


 だから、ひとつは♡シーンから入る話を書こうと思っていた。夏休みの宿題的に。


 ただ、読んだ限りで、王と女子の設定だと、男子は暴君で下半身もそれで、ヒロイン、いやがっているわりに、すぐ落ちる。それは、なぞりたくない。


 それで拙作では最初から、二人、フォーリンラブに。

 それも魔女の呪いだから。無敵のフォーリンラブで。


 で。

 現在、更新、とどこおっておる。

 ありがちな拙作の現象で、脇役が、どんどん出張ってくる。あげく、ダークファンタジー的な描写、筆力足らん。

 山場に、ひとつ戦描写は避けられないのに、その戦法的な知識が足りていないため、筆が止まった。

 Mの筆が止まるときは、たいてい知識が足りないとき。

 自分にも見えていない景色が、読む人に見えるわけはない。



 遺されたものは、どう生きればいいんだろう。

 そんなふうな気持ちで、はじめた、お話。

 今は、どう終わればいいんだと、迷子になっている。

 現実の生なら、納得していなくても終わりを迎えるのにね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る