賄賂偏(三十四)

 俺は最近まともに授業をしてなかった事に気付いた。

 だから、今日はスペシャルコースで授業をしようと思う。

 クリスに仕返しばかりされていたので、その仕返しだ。


「今日は拷問用の注射を使おうと思う」

 前回、快感を十倍にする注射で、いかされまくったのを思い出したんだろう。

 俺の言葉を聞いて、クリスが珍しく顔色を変えた。

「心配するな。今日は痛みを十倍にする方の注射だ」

 これは、痛みを十倍にする効果が五時間継続するが、常習性も副作用もないという、夢のような拷問薬だ。

「どこが心配ないのか、全く分からないんだけど」

 本気で嫌なんだろう。

 俺が腕をとると、クリスが必死で逃げようとしやがる。

「大丈夫だ。今日は機械にはかけずに犯してやるから」

「どこが大丈夫なのか、全然分からない」

 俺は抵抗するクリスを押さえつけて、無理矢理注射を打った。


 この注射をすると、服が肌にこすれるだけでも痛いらしい。

 服を脱がせていると、クリスが凄い目でにらんで来やがった。

「どんな気分だ?」

 俺はクリスを全裸にくと、ニヤリと笑った。

 服を脱がせるだけでこれなら、犯したらすげえ事になりそうだ。

 後で、快感の注射とどっちが嫌か聞いてみねえといけねえな。

「先生も、打って、みたら、いいよ」

 俺は気にせず、クリスに口付けた。

 どうやら、快感が行き過ぎて痛みに変わるらしい。

 クリスが俺の背中を叩くが、それも痛かったんだろな。

 一回叩いただけでやめちまった。

「今回は仕返しは許さねえ」

 前回はクリスの仕返しに付きあわされて、俺も注射を打つ羽目になって、酷い思いをしたからな。

「死ねば、いいのに」

 最近じゃあ、どんな拷問でも平気で憎まれ口を叩いて来やがる。

「黙っとけ」

 俺は口付けでクリスの口を塞ぐと、舌を入れてからめる。

 するってえと、いつもは絡め返して来るクリスが、舌を逃がそうとしてやがる。

「うっ」

 クリスが珍しく声をらした。

 これだけで痛えのか?

「痛そうだな」

 俺がそう言うと、クリスが凄い目で睨んで来やがった。

「殺す」

「まあ、お楽しみはこれからだ」

 キスでだけでこれなら、犯したらどうなるか楽しみで仕方ねえ。

「入れたらどうなるんだろうな?」

 俺はニヤニヤしながら、指で中をかき回す。

「はっ」

 快感が痛みに変換されるみてえだ。

 クリスが身をよじって逃げようとしやがる。

「入れるぞ」

「やだ」

 まだ喋れるようだが、この先も我慢できる本気で楽しみだ。

 俺は激しくクリスを攻める。

「どうだ?」

「無理」

 まだ喋れるみてえだ。

 俺は文句を言われても、情け容赦なく攻め続けた。

「気持ちいいか?」

「や……だ」

 なんか可愛い声が出たな。

 これは堪らねえ。

 クリスが腰を動かさねえから、気持ちよさは半減だ。

 しかし、逃げようとするクリスを無理矢理犯すというシチュエーションは、堪らなく興奮する。

しごいてやるよ」

 俺がクリスの股間に手を当てると、両手で押し戻そうとして来やがった。

「無理」

「反論は許さねえ」

 俺は普通に痛えだろって強さで、思い切り扱いてやった。

「やめっ……」

 お、喋れなくなって来たか?

 前と後ろを乱暴に攻めていると、流石のクリスも黙っちまった。

 クリスの口封じ計画はどうやら成功らしい。

「やっ……」

 いつもは声なんて出さねえのに、軽く声が漏れるのが堪らねえ。

 この声を俺は聞きたかったんだ!

「どんな気分だ?」

「死ね」

 まだ短い単語は話せるみてえだな。

 黙らせるには、もう少し痛めつける必要がありそうだ。

 俺はもっと激しくクリスの感じるところを攻めまくった。

「どうだ? もう喋れねえだろ」

 これは、かなりの激痛に違いねえ。

 俺は満足して、そろそろ解放してやろうと思った。

 その時、クリスが案の定喋りやがった。


「先せっ……、賄賂、証……、社長に、バラ……」


 こいつ、俺の賄賂の証拠を社長にバラすって言ったのか!?

 そんなもんどこで手に入れた!?

 嘘かもしれねえが、こいつなら証拠を握ってる気がする。

 これは、もう最終手段に出るしかねえ。


「頼む。俺の人生が終わるからやめてくれ」


 俺はクリスから体を離して、平謝りに謝った。

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