第65話 決着とその後
――「……」
蒼天に揺蕩う白雲を、ゆっくりと目で追う。
少し視線を下ろせば、そこにあるのは、マルテロを包むヒビ割れた夜。
「ティターニア、皆探してる」
草原に寝っ転がる彼女は、土を踏む足音に横を見る。
「ああ、マミン……少し考え事をしていてな」
ダイアナの隣に座るマミンは、帽子を被り直しダンジョンを眺める。
「モンスター、1匹もいなくなってた。あの空間凄い。調べたい。主に会ったってほんと?」
「……ああ。途轍もない魔法使いもいたぞ」
「会いたい」
目をキラキラさせるマミンに、彼女は微笑む。
昨夜、ダイアナはダンジョンを抜け出した後、マミンを襲っていた魔花を一瞬で殲滅。
リギアへの道を全力で逆走し、襲われていたドボル達を救出した。
その後彼らを連れてダンジョンに戻って来た時には、目玉も、溶岩も、男も、ドライアドも全て消えていたのだ。
それどころか、自分が戦った第4階層は半壊し、3階層の海で浸水してしまっていた。
あそこで自分達以上の激戦が繰り広げられたのが、容易に想像出来る。
(……また、殺り合いたいものだな)
遠き恋人に想いを馳せるように、彼女は立ち上がった。
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