第61話 最終決戦・開




「あら、お取り込み中だったかしら?」


「……誰だ貴様?(強いな、ドライアドか?)――っ⁉︎」


 ダイアナが剣を構えようとした瞬間、真横の空間から魔樹が突き出る。

 彼女は突然の攻撃を屈んで躱し、後退と同時に叩き切った。


「あら、躱されちゃった」


 意地悪な笑みを浮かべるドーラの背後の空間から、うねる様に生え出す魔樹。


 目を見開く2人はその光景を見て、確信した。


「……なぜ貴様がその力を使える?そも、なぜ貴様が生きておる?」


「貴女は、あの女剣士ね!随分と姿が違うからビックリしたわ」


「答えろ」


 カリストの問いに、ドーラが魔樹を優しく撫でる。


「あの人が残してくれた、置き土産よ」


「……そうか、奴は死んでおるのか。安心したぞ」


 ドーラの手が止まる。


「……私ね、やりたいことがあるの」


「……ほぉ、なんじゃ?」


 刹那、笑うカリストを射殺さんと、無数の魔樹が動いた。

 カリスト、ラヴィナ、ダイアナが散開する。


『――っ』


 カリストとラヴィナの脳裏に、カズナの焦りが伝播する。


『済まぬな、カズナ。少々忙しくなる』


『っ打開策を考える!持ち堪えろ!何としてもだッ、分かったな2人共‼︎』


『ああ』『ええ』


 2人は虚空へと、乾いた笑みを浮かべた。

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