下校

「お、ガリ勉君。今帰るの?」


 校門前でガリ勉君を見つけた私はスッと横に並んだ。


「...。」

「ガリ勉君さぁ、もうちょっと明るくなった方がいいんじゃないの?ほら、ニカって。」

「...あそこのクッキングカーって。」

「うん?...あれは!」


 今巷で有名なクレープ屋ではないか!!

 あの黄色の車体に赤と青ののぼり!!

 誰もが昇天するほどのクレープが!!

 食べれる!!


「ガリ勉君早く行くよ!!」

 私は猛スピードでクレープ屋に向かった。



「ん〜。美味しそう〜って遅いよ。ガリ勉君それくらいで息上がるのはヤバいって。」

「......ハァハァハァ。」

「ほら、並んだ並んだ。」


 私たちの前にはカップルが四組ほどいる。


「楽しみだね。」

「...美味しそう。」


 でも私たちの運はこのキッチンカーを見つけたことで運を使い切ったみたいだった。


「次のお客さん、どうぞ...ああもう材料切れちまうな。悪いな前から三番目以降に並んだ人はまた今度来てくれないか。次回来た時に50円値引きするからな。」


「えぇ〜〜〜〜。」

「...マジか。」


 そう言って店主からクーポン券をもらった。


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