第12話 アンダースコート

 皆さんは、スコート、というものをご存じだろうか?


 テニスやバドミントンの女子選手がはいている、短いスカート様のもの。


 あれが、スコート、である。


 スコート、の下には、アンダースコート、というものをはく。


 パンツに、かわいいフリルが全面にたくさんついているもの、と思っていただければいい。


 試合中の激しい動きでスコートがめくれて、見られてもかまわないことを前提に、アンダースコートはつくられている。


 外部との大きな試合に行った時、中学のバドミントン部の先輩が教えてくれたのが『アンダースコートの派手な奴ほど、強い』ということだった。


 スコートは規定で『学生らしい色と形状のもの』と決められていたので、ほとんどが白で、たまに薄いブルーか、学校色の紺、がいるくらいだ。


 だが、アンダースコートに規定はない。無法地帯だ。


 一年生のペーペーは、確かに白一色のアンダースコートで、こいつらは弱い。


 だが、二年、三年になって、自分が強い、と自覚した奴は、色つきになり、フリルの細かさ、形状にも、凝ったものを求めるようになる。


 大会で注目されたのが、某学校の強いダブルスだった。


 ダブルスは、七色なないろのフリルの虹色アンダースコート、をはいていたのだ!


 そのダブルスに負けた先輩が、悔しそうに言った。


「くそっ、あのアンダーが気になって、それだけでだいぶ失点してしもた」


 虹色アンダースコートは、クセモノ! である。


( ※シンプルなショートパンツ型の、アンダースコートもあります。)  

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