第14話 ヘビ
小学校の集団登校の集合場所で、ヘビ、が発見された。
1メートルほどの、青大将である。
うっかり、だとしても、男子児童の集まっている場所に出現するのは、小動物にとって、最悪の事態、を覚悟しなければならない。
「うほーっ、ヘビやー!」
「ヘビがおるでー!」
「つかまえろー!」
ヘビは必死で逃げた。
が、真っ黒に日焼けし
すぐにしっぽをつかまれた。
原始人のような奇声をあげる男子に、ヘビはぐるぐるぶん回された。
ヘビの体は宙を飛び、別の男子に「キャッチー」と言ってつかまれ、また、ぐるぐるぶん回される。
もしこれが、犬とか猫とか鳥ならば、正義感のある高学年女子に、
「チョットー、あんたたち、カワイソウだから、ヤメナサイよー」
などと、気取った標準語で止めてもらえたりもするのだが、ヘビでは無理だ。
止めたら、
「ほな、おまえに
と、ヘビを投げつけられでもしたら、いやだからだ。
ヘビー・フィーバーでほたえまくる男子を遠巻きに、女子は黙っている。
ヘビはぶん回され、手から手へとキャッチーされ、小学校まで連れていかれた。
私が下校時、最後に見たときは、校門に結ばれていた。
ごめんね、助けてやれなくて。私もヘビは苦手なんだ。
男子児童は、クセモノ! である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます