第8話 ゴミ捨て

 私が、中学生の時である。


 放課後、班の単位で掃除をする。


 BGMは、宇宙戦艦ヤマト。古い曲だが、この曲だと、なぜか掃除の効率が良かったそうである。


 最後に、ゴミ箱を焼却炉まで持っていって、捨ててくるのはじゃんけんで決めていた。


 私の班には、じゃんけんのすこぶる弱い、E君がいた。


 ほぼ100%、彼が負けるので、ゴミ捨てはいつも彼の仕事だった。


 そんなある日、奇跡的なことが起こった。


 E君ひとりがチョキで、他全員がパー。


 E君、いち抜けである。


 E君は飛び上がって喜んだ。


「やったー、勝ったぞー!」と言いながら、ゴミ箱をつかんだ。


「やったー、やったー!!」と叫びながら、焼却炉の方へ走っていった。


 数分後、からのゴミ箱を持って、しょんぼりして戻ってきた。


 次の班替えがあるまで、E君がじゃんけんで勝つことは、もう、なかった。


 E君は、クセモノ! であった。


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