第7話 先生

 私が、小学校に入学する時である。


 母が、私に言い聞かせた。


「ええか、学校に行ったら、先生の口の動きをしっかり見るんや。


 先生の口もとをいつも見て、先生の言うことを聞き漏らさんようにしいや」


 半月くらいして、先生から母に電話がかかってきた。


「お宅の娘さん、一日中、私の顔をじ―っとにらんだはって、怖いんですわ。


 給食の間は、特ににらまはるから、落ち着いて食べてもおられません。


 何か私、しましたやろか? 


 にらむの、やめてほしいんですけど……」


 私は クセモノ! であった。 

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