第12話 狩猟実習 その2

転送された場所は至って普通の草原地帯だった。

リークは辺りを見渡して様子を見る。

リーク(俺達以外の班は見当たらないが何処かにはいるようだな。)

コウ「リークさん。隊列を決めるのでよろしいですか?」

リーク「ああ、すぐ行く。」


16班全員が集まっており、隊列を決めている。

コウ「前衛は僕とカナンさんで索敵、リークさんは真ん中にいてメインで魔物を倒す、残り二人がサポートで良いですかね。」

リーク「問題無い。」

カナン「は〜い!」

レイブ「了解です。」

スイン「わかりました。」


それぞれの班が隊列を組んで進んでいく。

コウ「前方の林の中にオークが3匹見えます。皆さん準備を。」

リーク「纏めて俺が相手するか?」

コウ「いえ、まず誘導して一匹一匹確実に倒します。なんでもかんでもリークさんにやらせる訳にはいきませんから。」

カナン「私達だって、出来るってのを見せないと!」

リーク「そうか、では任せる。レイブ!」

レイブ「はい!」

リーク「作戦は聞いたな?お前も戦うことになる、気を引き締めろ。」

レイブ「はい!頑張ります!」

コウ「レイブ君は僕と、カナンさんとスインさん二人でリークさんは一人で一匹ずついきます。戦闘が終わり次第、林を出て待機を。」

「「「「了解。」」」」


3匹の内の一匹をコウが、もう一匹をカナンが魔法で攻撃して注意を引いて離れていく。

残った一匹をリークが相手をする。


リーク「行ったな。」

オーク「フゴっ!フゴっ!」

一匹のオークが太い木の棒を持って近づいて来る。

オーク「ふごぉぉぉ!!」

雄叫びを上げながら棒を振り下ろそうとするが、すぐに静かになる。

リークの手から出た電気の刃がオークの喉を貫いていた。

リーク「うるさい、フゴフゴ騒ぐな。」

そして、首を切断する。

頭が無くなって体はゆっくりと倒れる。

リーク「さて、アイツはへまをしてないだろうな。」

そう言ってレイブがいる方向に飛んでいく。


レイブ達は

コウ「俺は魔力量には少し自信があるけど、魔力のコントロールがあまり得意じゃないんだ。だから強力な一発を打つには時間がかかる。」

レイブ「なら、俺が囮になるのでその間に溜めてください。」

コウ「大丈夫なのかい?」

レイブ「確かに僕はまだ弱いですけど、動くことならできます!」

レイブ達の戦闘が始まる。


リーク「うまく立ち回っているようだな。」

遠くから見ているリークが言う。

レイブは現状、はっきり言って戦闘では足手まといである。

なので出来る事は逃げ回りながらオークの注意をヒク事ぐらいである。

レイブはそれを理解しており、今できる役割をしっかりまっとうしようとしている。

やがて、魔力が溜まったコウが魔導砲を放ちオークを撃破する。

それを見届けたリークは静かに林を出る。


林を出ると既にカナンとスインが居た。

カナン「あ、リークさん!」

リーク「速かったな。」

カナン「スインさんが凄かったんですよ!風魔法でブワーッと!」

リーク「そうか、やるじゃないか。」

スイン「ま、まあ頑張りましたので。」

照れながらそう答える。

リーク「後の二人も、もうすぐ来るはずだ。」

そう言葉通り、レイブとコウはすぐに林から出てきた。

コウ「お待たせしました。」

カナン「大丈夫だよ〜!それよりそっちはどうだった。」

コウ「レイブ君が上手く立ち回ってくれたから楽にいけました。」

レイブ「これぐらいしか、今はできないので。」

リーク「何もしないよりはマシだ。己の出来る役割をしっかりこなす。それがこの授業の趣旨だ。お前のやった事は正解だ。」

その言葉を聞いてレイブは嬉しそうにする。

レイブ「はい!ありがとうございます!」

コウ「では出発しましょう。」


メンバーが揃った所で再びゴールに向けて出発する。

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