第4話 宣戦布告

クラスの自己紹介が進んでいく。

しかし、あの説明の後だからか、皆ぎこちなかったりする。

だが、彼女は違った。


セリア「セリア·クロファボールです。もしかしたら近寄りがたいかもしれませんが、この学園では皆同じ立場です。気軽に接してください!」


落ち着きながらも凛とした佇まいで喋るその姿にはカリスマというものがあった。

グランは普段は普通の女の子というところしかあまり見たことないため、こういうところを見ると改めて彼女は王族なのだと思う。

そして、次の人間は。


「え、えと。レイブ·エンポリオです。よろしくお願いします!!」


レイブ·エンポリオ 彼こそがこの世界の主人公なのだ。

今は無属性だが、実は勇者の力を持った少年。

本当は彼も希少属性持ちの存在だ。

次にリークの番だ。


リーク「リーク·サンダリオ。」


………シーン


グラン(いや、それで終わりかよ!!)

アリサ「ハァ…それだけだと思いましたよ。次の人お願いします。」


アリサもリークの性格をわかっているのか特に何も言わない。


ユーナ「ゆ、ユーナ·ナトアリアです…本を読むのが好きです…よ、よろしくお願いします。」ペコリ


まあ、彼女にしてはよく頑張ったほうであろう。

そして最後はグランの番になる。


グラン「えーと、グラン·デストリカです。趣味は修行と食事かな?肉とキノコ料理が好きです。えっとまあ、これからよろしく。」


そうして、全員の自己紹介が終わる。


アリサ「では、これからこのメンバーで四年間を過ごすわけですが、何か質問があれば受け付けますよ。なければ本日は終了ですが。」


一人の生徒が手を挙げる。


アリサ「あなたは、レイブ君ですね。なんでしょう?」

レイブ「あ、あの!さっき決闘は許可を貰えればできるって言ってましたけど、今からでもできますか!?」

「ちょ!ちょっとレイブ何言ってんのよ!」


隣の女子が何か言っている。

セリアは興味深そうに彼を見ている、ユーナは驚いて、リークは興味なさそうに目を閉じている。


アリサ「……可能です。では誰とやりたいのか指名してください。」

レイブ「その…グラン·デストリカ君とやりたいです。」


その言葉に周りは一気に騒ぎ出す。

リークもこの言葉に目を開ける。

グランも彼に目を向ける。


アリサ「ほお、彼に挑むとは。随分と挑戦的ですね。確認しておきますが、彼は今年の入試で代表挨拶をしたリーク君と同立首席です。それをわかっているんですね。」

レイブ「はい。」

リーク「待て。」


そこでリークが遮る。


レイブ「え?」

リーク「…お前、グランとやる気みたいだが、順位は何番なんだ?」


レイブは黙る。

当然だろう、何故なら彼は。


リーク「答えろ。」

「ちょっと!別にあんたに答える理由はないでしょ!」

リーク「誰だお前は?」

ヘレン「ヘレンよ!あんたさっきの紹介聞いてたの!?」

リーク「興味ない。」

ヘレン「なっ!?」

ユーナ「リーク様!駄目ですよ!」アワアワ

グラン「リーク、もういいよ。」


グランはリークに言う。


グラン「レイブだったか?俺も挑まれる側としては聞いておきたい、答えてくれ。」


グランはあくまで自分が介入したことによる影響が出ているか確かめたかった。

元々、本来ならここはリークが挑まれる側なのだが、この世界では自分だったのだ。


レイブ「……140位だよ。」


その言葉に周りがドッと笑い出す。


「つまりドベじゃん!!」

「思い出した!!こいつ無属性のやつじゃん!!」

「じゃあ雑魚じゃん!!」

ヘレン「ちょっと!やめなさいよ!!」

アリサ「あなた達、静かに!」


ヘレンやアリサが言うが中々止まらないが。


グラン「黙れ!!!!!!」ドン!


少し敵意を出して周りを威圧し黙らせる。

凄まじい威圧感に周りは口を閉じる。


グラン「俺はそいつと話しているんだ、外野が喋って邪魔をするな。わかったな。」


周りはコクコクと頷く。


グラン「それで…俺に挑みたいのはわかった。だが、そのリスクもわかっているんだな。最下位に支給される点数は100点だ。ここで負ければ次はないぞ。」


グランの持ち点は10000点だ。例え負けても5000点なので正直問題ないが、彼はここで負けたら50点。次敗北すればレッドゾーンである。


レイブ「わかってるよ。でも、それでも君と戦いたいんです!お願いします!!」


そう言って頭を下げる。

グランは息を吐き。


グラン「わかった、どのみち断れないんだ。相手をしてやる。」

レイブ「ありがとうございます!!」

アリサ「…では二人にはこれから闘技場にて決闘を行ってもらいます。他に質問があれば受け付けますがなければ解散です。決闘の見学は自由ですので、好きなようにしてください。」


そうして各々、移動し始める。

と言っても殆どが闘技場に向かっている。


今、本来ならありえなかった戦いが起ころうとしている。


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すみません、ちょっとだけの間、更新をお休みします。

理由は風邪を引きました喉風邪です。コロナではありませんでした。

多分、3.4日経てば再開できると思いますのでお待ち下さい。

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